『ボンビーガール』9月打ち切り報道…恋愛企画が不発でリニューアルが命取りに

斉木順

 深夜時代から約10年にわたって放送されてきたバラエティ番組『幸せ!ボンビーガール』(日本テレビ系)が9月いっぱいで終了すると、22日付の「デイリー新潮」(新潮社)で報じられた。昨年からの視聴率低迷を打破するためにリニューアルに取り組んだが、それが裏目となって、打ち切りという判断になってしまったようだ。

 同番組は「お金がなくても幸せに暮らそう」をコンセプトに、貧乏でも幸せな人生を送る女性=ボンビーガールを紹介する番組として2011年4月に深夜帯でスタート。約半年ほどでいったん終了したが、番組自体の評価は高かったことで不定期の特別番組として復活し、2013年には火曜22時のプライム帯でのレギュラー放送に昇格した。

 2018年にメインMCだった山口達也が不祥事で電撃降板するという危機にも見舞われたが、進行役の水卜麻美アナやレギュラーの劇団ひとり、DAIGOらの抜群の安定感によって人気を維持。特に、地方から上京する女子の物件探しに密着する「上京ガール」と、モデルの森泉を中心にしたリフォーム&DIY企画のコーナーが好評だった。

 ところが、看板コーナーだった前述の「上京ガール」にタレントの卵、女優の卵などが登場する機会が増加すると、ネット上で「何か裏がありそう」「新人タレントの売り出しコーナーになった」などと疑いの声が上がることに。また、映画『パラサイト 半地下の家族』のヒットにあやかって韓国の半地下物件で暮らしている日本人女性を取り上げ、韓国ネタが増加するなどコンセプトのブレが目立つようになった。

 今年2月には、恋愛リアリティ企画「幸せ!ボンビーLOVE」を軸にした大リニューアルを敢行。「恋に踏み出せないボンビーな事情を抱える男女6人の1週間の恋愛物語」に密着するという内容で、専用のセットを用意し、番組ロゴまで変更する気合いの入れようだった。しかし、視聴者には「なんか『テラハ』っぽい…」「方向性がめちゃくちゃ」「ボンビーガールに恋愛要素求めてない」と大不評で、企画はすぐに終わり、セットやロゴも戻されてしまった。

 その後も恋愛企画はプッシュされ、今月15日の放送では「月収10万円以下の20代の男女6人が一緒に夢を追うパートナーを見つける」という恋愛マッチング企画を放送。だが、ネット上では「わざわざボンビー同士をマッチングさせてどうするの」「2人ともお金ないのに一緒に夢を追うって厳しすぎない?」などと冷めた声が上がり、またも不発となっていた。

 今回の記事では、リニューアルが「かえって数字を下げることになった」と指摘され、上層部が「これ以上は無理」と打ち切りを判断したと伝えられている。

 視聴者から見ても明らかに迷走していた同番組。番組の顔だった水卜アナが今春から朝の情報番組『ZIP!』のMCに就任して多忙になったこともあり、いよいよ「潮時」となってしまったようだ。もともとの番組コンセプトは支持が高かっただけに、終了後も単発の特番などで復活を期待したいが……。
(文=斉木順)

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雑誌や書籍、ネットメディアで芸能記事を執筆中。アイドルから俳優、歌手、大御所まで幅広くカバーする柔軟さと情報網が強み。

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