【ドラマレビュー】

西島秀俊と内野聖陽に、萌えて泣かされる『きのう何食べた?』どこまでアドリブなの?

柿田太郎

 西島秀俊と内野聖陽が同性&同棲カップルを演じると話題の『きのう何食べた?』(テレビ東京系)が放送スタート。原作は、よしながふみによる「モーニング」(講談社)連載中の人気コミック。原作ファンをがっかりさせない気遣いを感じる丁寧な映像化で、初回の放送から好評を博した。

 几帳面でしっかりしすぎるがゆえに、どこか変人臭が出てしまうイケメン弁護士・筧史朗(シロさん=西島秀俊)も、自然体で人当たりが良くまっすぐに人生を楽しむ少し甘えん坊な美容師・矢吹賢二(ケンジ=内野聖陽)も、レシピ代わりになるほど実用的かつ現実的な晩御飯献立やりくりシーンも、もちろん健在。

 どうしてもBL的な部分が話題にされがちだが、そもそも他人同士であるパートナーがぶつかってしまいながらも同じ食卓を囲み、同じ時間を過ごし、互いをさりげなく気遣いながら、くんずほぐれつ前へ進んでいく、当たり前ではないとされる同性同士の当たり前な日常は、見ているだけでどこか勇気をもらえる。記念すべき第1回放送を振り返ります。

 

■タイトルを言ったのは、まさかのチャンカワイ

 シロさんの職場である上町法律事務所から物語はスタート。所長である大先生こと上町美江(高泉淳子)や美人事務員・小山志乃(中村ゆりか)もそうだが、所長の息子である若先生こと上町修弁護士(チャンカワイ・Wエンジン)の再現率が見事。「きのう何食べた?」というタイトルにもなっている台詞は、冒頭に彼が発し、思わず「お前が言うんかい」的な気持ちになるが、原作でも同じく若先生が言ってる台詞で、この辺も忠実。

 この何気ない会話のきっかけ程度の質問に対し、「昨日は小松菜と葱と油あげの味噌汁と、長芋と明太子を二杯酢であえて山葵と海苔を乗っけたやつと、鶏手羽先と大根を甘辛く煮たのと、ブロッコリーのおかかあえ、それと1/3は発芽玄米の白い飯を家で食べました」と、呪文のごとく昨晩の献立をツラツラ答え、事務所内をにわかに凍てつかせるシロさん。筧史朗という人物を表すのにうってつけのシーン。それでいて自分の異様さに気づく様子がないのがまたいい。

 この詳細さから献立を作っているのはシロさん自身だと推測する、鋭い小山。「芸能人でもない45歳の男が、あの見た目(妙に若々しくイケメン)で独身なのは、はっきり言って気持ち悪い」とシロさんの「何か」を感じ取る感覚も鋭い。

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