乃木坂46、浜辺美波、上白石萌音&萌歌に共通点…「同期はライバル」“洗礼”戦略が効果的?

永尾兼

 コロナ禍によるコスト削減や出演者の制限によって、芸能界の“椅子取りゲーム”はさらに激しさを増している。そんな中、デビュー時に同期との競争を強いることによって成長を促す事務所の戦略が「効果的?」と注目を集めている。

 たとえば、2011年に開催された第7回『東宝シンデレラオーディション』では、上白石萌歌がグランプリ、その姉の萌音が審査員特別賞、浜辺美波がニュージェネレーション賞と、現在主演級の女優として活躍する3人が受賞し芸能界入りする豊作の年となった。

 過去には沢口靖子や長澤まさみなどの人気女優を輩出してきた同オーディションで注目を集め、輝かしいデビューに思えるが、浜辺は「ちゃんとやらないとすぐに新しい代がでてきて用なし」になってしまうという危機感があったことを、今年4月放送のバラエティ番組『日曜日の初耳学』(TBS系)で語っている。

 そして、マネージャーからは「同期はライバルだと思え」と指導され、レッスンの合間に楽しそうに喋っていると「そうじゃない」と怒られることもあったという。

 さらに、上白石姉妹に対して「選ばれた子たちって、感受性が豊かで本当にスタイルが良かったりとか、自分にないものをみんな持っていた」と劣等感を抱いていたことも語ったが、デビュー当初にこういった “洗礼”を受け、努力を重ねてきたことが現在の活躍につながっているのだろう。

 また、アイドル業界でトップクラスの人気を誇る乃木坂46も、グループ結成翌年の12年に行われた舞台『16人のプリンシパル』で、“同期はライバル”だと強く意識させられることになる。

 同舞台は2幕で構成され、第1幕はメンバーが自己PRし、第2幕は観客の投票により決まった役で演劇を行うという、ファンがキャスティングに参加する公開オーディション形式で実施された。

 9日間、全9公演のスケジュールで行われたが、競争に慣れない1期生たちは困惑。舞台裏で泣くなどの様子が、15年公開のドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』に収められている。

 その映画の中で特に話題になったのは、学業を諦めて乃木坂46入りした松村沙友理が、それを後悔するような発言をし、生駒里奈に叱られたことでお互いに泣きながら口論に発展するシーンだ。

 この衝突は松村にとって大きなターニングポイントになったようで、のちに冠番組『NOGIBINGO!2』(日本テレビ系)でのメンバーに手紙を送る企画の中で、「生駒が全力でぶつかってくれたから、今までの人生で言い合いもしたことがなかった私が初めて人と本気でぶつかり合うことができました。それ以来、自分の気持ちをハッキリ言うことができるようになりました。私にとって、あの時の喧嘩は自分が変わるための背中を押してくれた気がします。本当に本当にありがとう」と感謝の気持ちを伝えている。

 同形式の舞台は後輩たちにも受け継がれているが、松村のように同期と本気で向き合ったり、自分の殻を破るための通過儀礼になっているのかもしれない。

 コロナ禍がなくとも芸能界はもともと競争激しい世界だが、デビュー時に味わった“洗礼”と同期との絆を糧に今後もファンを魅了する活躍を期待したい。
(文=永尾兼)

<ライタープロフィール>
AKB48にハマったのをキッカケに、女性アイドルの追っかけ兼ライターとして活動中。現在は坂道グループ(乃木坂46、櫻坂46、日向坂46)の記事を中心に執筆。元乃木坂46の橋本奈々未を永遠推し。

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