極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?

長野辰次

極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?の画像3©“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners

 原作や1973年の実写映画でも、日本列島という国土を失うことで日本人は「日本とは、日本人とは何か?」というアイデンティティーを突きつけられた。『日本沈没』は時代を経ても色褪せない、骨太なテーマで貫かれた物語であることに改めて気づかせられる。

 中学3年生の歩、その弟でゲーム好きな小学生の剛(CV:村中知)は、毎回のようにシビアな試練に向き合い、限られた情報と知識をもとに決断し、前へ前へと進んでいくことになる。第3話からは情報収集&分析能力に優れたカリスマYouTuberのカイト(CV:小野賢章)が武藤家に手を差し伸べるが、気まぐれなカイトはいつ姿を消すか分からない危うさがある。歩と剛の若い姉弟は、否応なく大人へと成長していかざるをえない。

「日本人は12 歳の少年のようだ」という言葉を、『日本沈没2020』を観ていてふと思い出した。敗戦後の日本を統治した連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーは米国に帰還した際に、日本人の精神年齢をそう語っている。当時の日本人の多くはマッカーサーのこの言葉を知って激怒したそうだが、民主化が始まったばかりの日本の社会状況をうまく言い当てていたように思う。戦後から75年が経ったが、はたして日本人は何歳になったのだろうか。

(長野辰次)

極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?の画像4©“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners

Netflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』

キャスト:武藤歩:上田麗奈/武藤剛:村中知/武藤マリ:佐々木優子/武藤航一郎:てらそま まさき/古賀春生:吉野裕行/三浦七海:森なな子/カイト:小野賢章/疋田国夫:佐々木梅治/室田 叶恵:塩田朋子/浅田 修:濱野大輝/ダニエル:ジョージ・カックル/大谷三郎:武田太一

原作:小松左京『日本沈没』 監督:湯浅政明
音楽:牛尾憲輔 脚本:吉高寿男
アニメーションプロデューサー: Eunyoung Choi シリーズディレクター:許平康 キャラクターデザイン:和田直也 フラッシュアニメーションチーフ:Abel Gongora 美術監督:赤井文尚 伊東広道 
色彩設計:橋本賢 撮影監督:久野利和 編集:廣瀬清志 音響監督:木村絵理
アニメーション制作:サイエンスSARU ラップ監修:KEN THE 390
主題歌:「a life」大貫妙子 & 坂本龍一(作詞:大貫妙子/作曲:坂本龍一)

公式HP: http://japansinks2020.com/
公式twitter:@japansinks2020
製作:“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners ©“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners

極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?のページです。エンタMEGAは、エンタメ映画の最新ニュースをいち早くお届けします。芸能ニュースの真相に迫るならエンタMEGAへ!