極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?

長野辰次
極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?の画像1©“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners

 1970年代に大ブームを巻き起こした小松左京のSF小説『日本沈没』が、Netflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』として生まれ変わった。同じくNetflixで配信された『DEVILMAN crybaby』(2018年)や『映像研には手を出すな!』(NHK総合)が話題を呼んだアニメ界の鬼才・湯浅政明監督が、原作小説をベースにしながら2020年を舞台にしたまったく新しいサバイバルものに仕立てている。7月9日より全10話が配信中だ。

 大ベストセラーとなった『日本沈没』の映像化作品というと、原作が発表された1973年暮れに公開された森谷司郎監督による実写映画を思い浮かべる人が多いだろう。1973年版は原作に沿った内容となっており、地殻変動の影響によって日本が沈没することを予言する田所博士(小林桂樹)、深海調査艇の操艇士・小野寺(藤岡弘)、日本人を海外へ脱出させる「D計画」を進める山本総理(丹波哲郎)らを中心にしたSFポリティカルサスペンスとしての面白さがあった。2006年には結末が異なる、樋口真嗣監督、草なぎ剛主演による2度目の実写映画も制作されている。

極限下での決断を迫るサバイバルアニメ『日本沈没2020』 「12歳の少年」と呼ばれた日本人は、何歳になったのか?の画像2©“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners

 今回のアニメ版は、原作には登場しなかった一般市民の視点から描いた点が最大の特徴。かつてない巨大地震が日本列島を襲い、「日本は沈没する」という未確認情報が飛び交う中、中学生の武藤歩(CV:上田麗奈)を長女とする武藤家の人々が、安全な場所を求めて命がけでサバイバルを重ねるハードな家族ドラマとなっている。

 大貫妙子が歌う主題歌「a life」も印象的だ。東京が壊滅する第1話をはじめ、衝撃シーンの連続となっている本編とは対照的に、坂本龍一が作曲した繊細なメロディと大貫の澄んだ歌声が日常生活を送ることの幸せを感じさせる。それまで当たり前だと思っていた日常世界が失われることで、初めて自分にとって大切なものの価値を知ることになる。

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