9日、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のため87歳で死去。ご冥福をお祈りするとともに、「チャート1位を獲得した歌手を最も多くプロデュースした人物」など3つのギネス・ワールド・レコーズに認定された、芸能史上に燦然と輝くプロデュース能力について僅かながらだが紐解きたいと思う。
(1)清掃員目線でオーディション
人気タレントを育て上げるにはまず、その才能を発掘しなければならない。しかし、最初から輝きを放つ逸材ばかりではなく、大概はまだ埋もれてしまっている原石状態だろう。それを取りこぼすことなく拾い上げるのはプロデューサーとして最重要ともいえる能力。ジャニー氏はオーディション時、清掃員のような格好で参加することを数多くのタレントが証言しているが、これは恐らく、素の表情や性格に裏表がないかを見抜くためだったのだろう。
ちなみに、KAT-TUNの元メンバーの赤西仁は、オーディションで不合格になったものの、名札を返した相手がたまたまジャニー氏だったため、「YOUも残っちゃいなよ」と合格が決まったとのことだが、ジャニー氏が素性を明かしていたら生まれなかった縁だったかもしれない。
(2)未来の顔がわかる?
タレントを少年期から育てる上で良くも悪くも影響を及ぼすのが、成長に伴う容姿の変化。絶世の美少年が数年後には残念なことに、ということがあればその逆もまた然り。後者のパターンに関してジャニー氏の慧眼はずば抜けていたらしく、1番の愛弟子ともいえる滝沢秀明氏は以前、バラエティ番組『1周回って知らない話』(日本テレビ系)に出演した際、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔を例に挙げ、「ホントにもう、何でコイツが? っていう(ジャニーズJr.が)スターになりますからね」と絶賛した。
ちなみに藤ヶ谷はJr.時代、老け顔だったため“藤ヶ谷父さん”とイジられていたが、当時の映像をネット検索して現在と見比べてみれば、滝沢氏の言う目利き力が理解できるかもしれない。