深夜ながら平均3%オーバーの高視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出しているドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)。西島秀俊と内野聖陽の同性カップルの日常を、食事を軸に丁寧に描く。第6話はセクハラをする西島秀俊の姿が拝めました。振り返りましょう。
■自意識モンスター・シロさん
上司に頼まれ司法修習生・長森(真魚)の面倒を見ることになったシロさん(筧史郎/西島秀俊)。司法修習生とは司法試験に合格し、弁護士や検事や裁判官に任命される前の見習い期間の新人のこと。しばらくシロさんについて弁護士の実務を学ぶという。
ゲイだから恋愛対象として異性を見ることはないのに、セクハラなどが多いこのご時世に、万が一にでも若い女性と変な関係にならないようにと意識しすぎて空回りしてしまうシロさんが今回の見どころ。
車を持たず電車で移動する理由を「ケチで臆病」だからとシロさんが自虐的に語ったことに対して長森が微笑むと、「俺のこの飾らない感じに好感を持ってしまったんじゃないか?」と怯える見事な自意識過剰ぶりを披露。
他にも「最近の医師不足の原因の半分は、闇雲に稼ごうとする弁護士にあると思う」という意見をただ笑顔で聞いてるだけの長森を見て、「こんなこと言っちゃう四十半ばの弁護士、もしかしてお好みでしたか?」(心の声)とさらに自意識が大暴れ。
たしかに長森はシロさんに対し好感を持ちかけているように見えなくもなかった。
原作にはないが、転んだ長森を助け起こそうとするシーンで手を差し伸べたシロさんに対し、そっと握り返す長森の仕草には淡い恋の芽生えを感じた。
しかし長森の恋心の萌芽が多少あったにせよ、その成長スピードを遥かに凌ぐ速さでシロさんの自意識は追い抜いていく。
これまでも「ゲイだとバレているのでは?」という自意識の高さはたびたび垣間見られたが、若い女性相手の自意識の高さは実にキツイやつに見えてしまう。ドラマのキャラ相手におせっかいも甚だしいが、仕事が仕事だけに心配だ。