女優の森七菜が連ドラ初出演を務めたドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)の最終回が22日に放送され、平均世帯視聴率が11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。苦戦が目立った秋ドラマで「有終の美」を飾ったことで、森の大ブレイクが決定付けられたとの見方が強まっている。
同ドラマは、森が演じるスイーツ好きのコンビニ店員が、中村倫也演じるコンビニチェーンの社長と共に「一番売れるスイーツ」の開発に取り組むことから始まるラブストーリー。初回から平均視聴率9.4%と二桁割れで先行きが危ぶまれたが、SNSを中心に複雑な四角関係が徐々に話題を呼び、第9話で10.9%と初の二桁台に。最終回でさらに数字を上げ、番組最高の視聴率で右肩上がりのフィニッシュとなった。
秋クールのドラマは、有村架純主演の『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系)が前評判に反して全話一桁の視聴率で終わるなど軒並み苦戦となっており、最終回直前に二桁に乗せてきただけでも今作は大健闘したといえる。
森といえば、先日オリコンが発表した『2020年ブレイク女優ランキング』で圧倒的な強さを発揮して1位を獲得。世代別の回答で30代こそ浜辺美波にトップを譲ったものの、他は10代~50代までの世代で1位に選ばれた。今年前期のNHK朝の連続テレビ小説『エール』への出演や、大塚製薬『オロナミンC』をはじめとしたCM露出の多さも好影響を及ぼし、文句なしの「ブレイク女優」となったようだ。
だが、その一方で「ゴリ押し」との批判も目立つようになった。実力以上にプッシュされているのではないかとささやかれ、その根拠として『この恋あたためますか』の視聴率が低調だったことなどが挙げられていたのだ。
しかし、今作が二桁フィニッシュで「有終の美」となったことで、ゴリ押し批判を払拭することができそうだ。また、最近のテレビ業界では世帯視聴率よりも「個人視聴率」が重視されるようになっており、本作はそちらでもともと一定水準以上の数字を取っていた。そういう意味でも、森の連ドラ初主演作は「成功」だったといえそうである。
すでに人気コミックを実写化する映画『ライアー×ライアー』(来年2月19日公開予定)などへの出演が発表されているが、ブレイク女優の座を決定付けたことで来年はさらなる飛躍が期待できそうだ。
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