稲垣吾郎＆二階堂ふみが挑んだ創作の狂気！ 手塚治虫の異色作『ばるぼら』が実写化！

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　手塚治虫の生涯は60歳と短かった。いつも締め切りに追われる生活を送っていたため、手塚眞監督は生前の手塚治虫とは父子らしい時間をのんびりと味わう機会がとても少なかったそうだ。でも、映画『ばるぼら』を観ると、手塚眞監督がうらやましく思えてくる。手塚眞監督は父・手塚治虫が残した作品を映像化することで、心の中で父との会話を繰り返したのではないだろうか。生前にはできなかったような、お互いをクリエイターとして認めた上での深い深い思索のやりとりだ。

　稲垣吾郎と二階堂ふみが共演した『ばるぼら』は、手塚治虫作品の中でも異色中の異色作であり、そしてビジュアリストとしてのこだわりを持つ手塚眞監督ならではの振り切った映画にもなっている。手塚眞監督は、父・手塚治虫が抱えていた狂気性をスタッフやキャストたちの力を借りて、スクリーンの中へと解き放ってみせた。ばるぼらは、時を越えて手塚父子が生み出した理想の恋人像ではないだろうか。

（文＝長野辰次）

『ばるぼら』
原作／手塚治虫　監督・編集／手塚眞　撮影／クリストファー・ドイル
出演／稲垣吾郎、二階堂ふみ、渋川清彦、石橋静河、美波、大谷亮介、片山萌美、ISSAY、渡辺えり
配給／イオンエンターテイメント　R15＋　11月20日（金）よりシネマート新宿、渋谷ユーロスペースほか全国公開
（c）2019 『ばるぼら』製作委員会
https://barbara-themovie.com