コロナ禍がモチーフの「世にも奇妙な」オムニバス! 園子温、ムロツヨシらが参戦した『緊急事態宣言』

長野辰次
コロナ禍がモチーフの「世にも奇妙な」オムニバス!  園子温、ムロツヨシらが参戦した『緊急事態宣言』の画像1

『緊急事態宣言』(C)2020 Transformer, Inc.

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、映画の公開延期が相次ぎ、撮影も休止になるなどエンタメ業界は大きな打撃を受けている。濃厚接触を避けるため、恋愛シーンの撮り方などが今後は変わっていく可能性もある。そんな先行きの見えない不透明な状況下で、非常にユニークな作品が制作された。8月28日からAmazon Prime Videoで配信が始まった『緊急事態宣言』だ。園子温、三木聡、真利子哲也監督ら気鋭のクリエイターたちが撮り下ろしたオリジナル作品で、斎藤工、ムロツヨシ、柴咲コウ、岸井ゆきの、夏帆といった人気キャストが集結した5本のショートムービーで構成されている。

 今年4月、政府が「緊急事態宣言」を発令し、外出自粛が求められ、街から人影が消えるという重苦しい空気が社会全体を覆った。ソーシャルディタンスだけでなく、自粛警察という言葉も定着した。そんな異様な社会の雰囲気を、今回の『緊急事態宣言』は速攻で作品の中に取り込んでいる。劇場映画やテレビドラマとは異なる、配信動画ならではのスピーディーな企画だといえるだろう。

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『緊急事態宣言』(C)2020 Transformer, Inc.

 3月末の企画スタートからわずか数か月で完成した『緊急事態宣言』を構成する5作品のうち、4作品は30分程度の長さであり、いちばん長い真利子監督のものでも64分にまとめられている。気になるキャストや監督の作品から、気軽に視聴することができる。ひと言で説明するなら、コロナ禍をモチーフにした『世にも奇妙な物語』的なオムニバスものだ。

 ハリウッド進出が決まっている鬼才・園子温監督の『孤独な19時』は、現代のロビンソン・クルーソーの物語。コロナウイルス収束後にさらに凶暴な新型ウイルスが発見され、主人公・音巳(斎藤工)は生まれてから一度も家から外へ出たことがなかった。両親が亡くなり、ひとりでの生活を当然のように受け入れていた音巳は、限定的に外出が許可されるようになっても家で過ごす毎日だった。そんなある日、今まで聞いたことのない耳障りな音がすることに気づき、気になって仕方がない音巳は家の外へ出て、音の正体を確かめることにー。園監督ならではの、社会風刺の効いたブラックな作風となっている。

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『緊急事態宣言』(C)2020 Transformer, Inc.

 12年の時を経て復活したコメディドラマ『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)で健在ぶりを示した三木聡監督の『ボトルメール』も、不思議な味わいが楽しめる作品だ。不倫騒ぎでバッシングに遭い、芸能界から干されていた女優・鈴音(夏帆)のもとに、差出人不明のメールが届く。そのメールに書かれていた場所に鈴音が向かうと、そこはある映画のオーディション会場だった。初めて会う女性プロデューサー(ふせえり)からオーディション合格を告げられた鈴音は、やはり面識のない映画監督(松浦祐也)からリモートによる演技指導を受けることになる。

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『緊急事態宣言』(C)2020 Transformer, Inc.

 三木監督らしく、ところどころに駄洒落が仕掛けてあり、クスクス笑いを誘いつつ、気がついたときには、不倫騒ぎとコロナ自粛によって鈴音が孤独の沼の中にずぶずぶとハマっていく姿から目が離せなくなってしまう。コメディとホラーとの裂け目に、視聴者も一緒に落ちていくような不思議な感覚を味わうことになる。

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