『キングダム』ラスボス・坂口拓、幻の主演作公開! 77分間をワンシーンワンカットで撮った『狂武蔵』

長野辰次

『キングダム』ラスボス・坂口拓、幻の主演作公開! 77分間をワンシーンワンカットで撮った『狂武蔵』の画像4(C)2020 CRAZY SAMURAI MUSASHI Film Partners

 百戦錬磨の坂口でも、さすがに400人を相手にしたワンシーンワンカットでの一発撮りは過酷さを極めたようだ。倒しても倒しても、人の波が次々と押し寄せてくる。撮影開始直後に坂口は右人差し指を骨折、さらに撮影中盤には肋骨も骨折したが、それでもこの無茶な企画を発案した主演俳優は「カット」を口にすることはなかった。

 中だるみを防ぐために、一部では真剣も使われたともいう。かなり危険度の高い撮影だった。それでも闘い続ける坂口の姿には、アクション俳優としての狂気すら漂う。新手の集団が現れるシーンで放心した表情を見せるあたりは、素のものだろう。それでも手や足が自然と動き、剣は瞬時に相手の脳天へと振り下ろされる。体の隅々までがアクション俳優である坂口拓のドキュメンタリー作品だともいえる。

『キングダム』ラスボス・坂口拓、幻の主演作公開! 77分間をワンシーンワンカットで撮った『狂武蔵』の画像5(C)2020 CRAZY SAMURAI MUSASHI Film Partners

 お蔵入りしたままの坂口拓主演作があることを知り、劇場公開へと尽力したのは倉田アクションクラブ出身の太田誉志プロデューサー。撮影素材を買い取り、劇場映画に仕上げるためにクラウドファンドで資金を募り、完成させた。そして『キングダム』ファンには、山﨑賢人が追加撮影シーンに出演していることも見逃せない。

 77分間の大激闘の後には、山﨑賢人演じる忠助が、戦いを生き延びた武蔵と決着戦に挑む新しいクライマックスシーンが用意されている。武蔵=坂口拓の戦いぶりは、さらに進化したものとなっており、9年間の歳月は決して無駄ではなかったことを感じさせる。

 太田プロデューサーによると、続編化も予定しているとのこと。坂口の殺陣に対する情熱と狂気は、確実に周囲へと伝播しつつあるようだ。暑い夏を締めくくるように公開される『狂武蔵』、ぜひ劇場でその尋常ではない熱さに触れてみてほしい。

(文=長野辰次)

『狂武蔵』
監督/下村勇二 原案協力/園子温
出演/TAK∴(坂口拓)、山﨑賢人、斎藤洋介、樋浦勉
配給/アルバトロス・フィルム 8月22日(金)全国ロードショー
(c)2020 CRAZY SAMURAI MUSASHI Film Partners
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