(C)2020 CRAZY SAMURAI MUSASHI Film Partners
大ヒット映画『キングダム』(2019年)にラスボスとして登場し、大いに注目を集めた坂口拓。日本を代表するアクション俳優の坂口が主演した時代劇『狂武蔵』が、撮影から9年間の歳月を経て、ようやく劇場公開されることになった。
坂口主演作『狂武蔵』は、上映時間91分のうち77分間にわたる決闘シーンをワンシーンワンカットで撮影した非常に特殊な作品。しかも、坂口はたったひとりで400人を相手に切り結ぶという、前代未聞のアクション映画なのだ。
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撮影直後、全力を出し切った坂口が俳優業からの引退を一時的に表明したこともあって、お蔵入り状態となっていた本作。映画関係者の間では、「坂口拓の幻の主演作」として伝説化していたわけだが、『キングダム』で共演した山﨑賢人が追加撮影シーンに出演し、ようやく劇場公開されるに至った。
坂口演じる主人公は、剣豪として売り出し中だった頃の宮本武蔵。吉岡道場の門下生100人に加え、金で雇われた他流派の300人を合わせ、計400人と激突するという破天荒な物語だ。宮本武蔵の講談で有名な一乗寺下り松の決闘シーンを、かつてないスケールと迫力で描いている。
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カメラの前に立った坂口は、「本気でかかってこい! 手を抜いた奴は殺す!」と他の共演者たちに喝を入れてから撮影に臨んだ。共演者たちはその日のうちに集められたエキストラではなく、園子温監督の初時代劇として撮影準備が進んでいた『剣狂 KENKICHI』のクライマックスシーンのためにトレーニングを積み、ハングリーさに満ちた精鋭キャストたちだった。
諸事情から『剣狂』の撮影は流れたものの、8か月間にわたって坂口と殺陣の稽古を重ねてきた精鋭キャストたちが、坂口との信頼関係の上で挑んだのが、ワンシーンワンカットの撮影による『狂武蔵』だった。坂口演じる宮本武蔵はまさに鬼の形相で、迫りくる剣客たちをなぎ倒していく。