吉高由里子「憎い敵役」でもサラリとやってのける大人の余裕。数々の困難を乗り越えた女優魂は最強だった

編集部

 日々“追われる側”に立つ吉高由里子が、憎らしいはずの“追う側”という役どころを見事に演じている。

 現在放送中のドラマ「知らなくていいコト」で、主人公の週刊誌記者を演じている吉高由里子。自身の出生の秘密を知り、不安を抱きながらも、政治家や芸能人の不正やスキャンダルを狙ってバリバリ働く記者の姿を描いたお仕事系ヒューマンドラマだ。2014年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」放送終了後、約2年ほど仕事を休業していた吉高だが、2017年の「東京タラレバ娘」で復帰してから4年連続のドラマ主演となる。

 しかし、今度の役には多少なりとも複雑な感情があったのではないだろうか。吉高ほどの人気女優が、日々マスコミから狙われないはずがないからだ。実際、以前には関ジャニ∞の大倉忠義との熱愛や、休養中の情緒不安定説、引退説などさまざまな報道に振り回されてきた思いがあるだろう。今回の撮影で、吉高は「地下駐車場に3日間も張り込むシーンの撮影をしたのですが、こんなに待つのかと驚きました」「感覚をマヒさせないとできない仕事」と笑って話していたが、そのように日常的に狙われていると思うと、普通なら心が休まる気がしない。

 それでも精力的に、前向きに、仕事に向き合えるのはなぜだろうか。吉高と言えば、デビューして間もなく映画「蛇にピアス」の主演が決まった直後に、交通事故に会った経験がある。死も覚悟した事故を通して「尖っていたものが全部そぎ落とされた。撮影が遅れたことで、自分のために頭を下げてくれる人がいて、いかに周りに助けられているか思い知った」と振り返っている。

 また、20代半ばの働き盛りの時期に休養をもらったことについても「所属事務所が『1年間休んでいいよ』と快諾してくれて、海外にひとりで行ったり、自由に過ごしたり。そんな風に許してくれる会社ってない、ありがたい環境だなと思って」と、再び仕事に向き合う気力が湧いてきたのは周囲の理解のおかげだと語っている。

 活動を再開した直後のインタビューで、吉高は「以前の自分は、実力もないのに仕事をさばいていくようだった」と反省しながら「いまは一つひとつの仕事を丁寧にやろうって思うようになった」「その“意味”を考えるようになった」とも話していた。20代の経験を通して感じた“周囲への感謝”が、いまの吉高由里子をつくりあげているのだ。シンプルだが大切なことに気づけた彼女は、女優として、ひとりの人間としてますます成長していくに違いない。

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