ジャニーズ事務所が5日、所属グループやタレントの名称を用いたクラウドファンディングについて注意を呼びかけ、話題となっている。
同事務所は「昨今、注目を集めておりますクラウドファンディングにより、所属グループやタレントの名称などを用いて、不特定多数の方々から資金調達を行っている企画やプロジェクトが散見されるようになりました」と現状を説明。こうした企画に事務所は一切関与していないとした上で、金銭を伴うものについてはトラブルに発展する可能性があると指摘し、「内容を慎重にご確認いただきますよう、お願い申し上げます」と注意を促した。
また、トラブルになることを事前に防ぐ意味でも、タレントを応援する際には「ジャニーズファミリークラブを中心とした公式にご提供させていただいている組織や企画」を通じて行ってほしいと強調している。
この発表では具体的に言及されていないが、この背景には「嵐ファン有志一同」で広告を新聞に掲載したクラウドファンディング騒動があると見られている。
1月12日、朝日新聞社のクラウドファンディングサイト「A-port(エーポート)」で「ありがとう嵐。またね!」というプロジェクトが立ち上げられた。昨年いっぱいで活動を休止した嵐への感謝を全国紙の広告を使って伝えようというもので、1000万円を目標に資金調達を始めたが、起案者の素性が不明など謎が多く、嵐ファンの間でも賛否を呼んだ。
最終的に1214名の支援者を集め、嵐が活動休止についての発表をした日のちょうど2年後となる1月27日に「朝日新聞」でメッセージ広告が掲載されたが、目標額に対し達成率47%にもかかわらず一面広告として掲載されたことへの疑問も噴出し、さらに物議を醸すことに。
今回の注意喚起は、わざわざクラウドファンディングと指定しての異例の呼びかけということもあり、この騒動の影響だと見る人が大半のようで、ネット上では「嵐さんのクラファンの新聞広告のせい?」「絶対この間の嵐のクラファンがあったからでしょ」との声が多い。
「ありがとう嵐。またね!」プロジェクトは無事に実行されたものの、この“成功”に安心したジャニーズファンを狙うクラウドファンディング詐欺が生まれる可能性もあり、トラブルとなった場合、名前を使用されたグループやタレントのイメージにも影響しかねない。ジャニーズ事務所は「皆さまの純粋な想いがトラブルなどにつながることは弊社としましても決して看過することはできません」と締め括っているが、同プロジェクトに対しても釘を刺す形となったようだ。
(文=宇原翼)
<ライタープロフィール>
雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。ジャニーズやLDHを中心に、音楽・ドラマ・アニメ・バラエティ番組などを日々チェックしている。紅白出場の某歌手とはマイミクだったことも。