俳優・石橋凌と原田美枝子の間に生まれた“最強の血筋”を持つ女優・石橋静河をご存じだろうか。彼女はデビューからわずか2年で映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の主役に抜擢、そして数々の新人賞を受賞した若手のホープである。彼女の持ち味は、哀愁を帯びた演技。憂い、諦め、寂しさといった感情を痛々しいほどに伝える表現力は、観る者を圧倒する。
幼い頃からクラシックバレエに励んでいた彼女は、15歳でボストンとカルガリーのバレエスクールに留学。しかし、体型や骨格的な問題もあり自分がプロとして活躍するのは難しいことを思い知らされ、約3年で帰国した。そんな大きな挫折の経験があるからこそ、ネガティブな感情を事細かに表現できるのかもしれない。
今回は、そんな石橋のアンニュイな演技が魅力的な映画3選を紹介させていただく。