井上雄彦「リアル」よりバガボンド・ファーストの声!? 連載を4年半ぶり再開、しかし……の画像1

「リアル14巻」書影

 

 新たなバスケブームに押されて、作品自体が“バガボンド”(放浪者)になりかけてはいないだろうか。

「SLAM DUNK」で平成のバスケブームを巻き起こした井上雄彦の描く、車いすバスケットボール漫画「リアル」が、4年半ぶりに連載再開することが9日、わかった。掲載誌の「週刊ヤングジャンプ」が創刊40周年を迎える記念の企画だという。当然、井上のファンとしてはとても喜ばしいニュースだ。しかしネットから聞こえてきたのは「リアルなんかいいよ」「何故リアルなのか」という予想外の反応。いったい何故なのだろうか・・・。

“井上雄彦”と聞くと、SLAM DUNKを真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。誰もが知るバスケットボール漫画であり、世間にはSLAM DUNKに影響を受けてバスケを始めた人もたくさんいるだろう。

 そして今回再開が発表されたリアルも、障害者スポーツである車いすバスケを主題として1999年に連載開始。2014年11月から休載していたが、バスケの本場・NBAで活躍する日本人選手の登場やBリーグのスタート、さらには東京五輪を翌年に控えたこのタイミングで再開するという。

 まれにみるバスケ熱の高まりを見せる日本。なぜ再開発表で不満が出るのか。その理由には井上が抱える連載作品が関わっている。

 現在、井上はヤングジャンプのリアルと並行して、週刊漫画雑誌・モーニングでも剣豪・宮本武蔵を主人公とした「バガボンド」を1998年から連載している。実は今回不満の声を挙げているのは、リアルに先を越されたバガボンドファンたちなのだ。

 というのも、バガボンドもリアル同様休載を繰り返しており、週刊雑誌ながら最後に単行本が出たのは2014年7月になる。さらに2010年には作者の井上自身が「12周年の『バガボンド』はラストイヤーとなるでしょう。・・・なるはず。する。干支が一回りで(長い!)区切りもいいしね」と、年内の作品完結を宣言し注目を集めた過去がある。終了を予告されてから9年間、作品の結末を待っているファンとしてはたまったものではないだろう。

 今回のリアル連載再開のニュースは、誰かにとっての朗報が他の誰かにとっては悲報となってしまう典型例だろう。今回はリアルのファンが喜ぶことができた。次はバガボンドの連載が始まり、同作のファンがブラックホールに届きそうなほど首を長くして待ち望んでいる最終話が読める未来が訪れることを期待したいと思う。

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