北川昌弘の「美女&美少女的ドラマ独偏批評」その1

美女&美少女から見るドラマ評 夏ドラ期待の若手は吉岡里帆『健康で文化的な最低限度の生活』、松本穂香『この世界の片隅に』に注目!

編集部
ドラマの“質”は脚本家で決まるのか、あるいは演出家、プロデューサーで決まるのか? 確かにそれもあるだろう。だが、作品に彩りを添えるのは女性キャストだ! 稀代の美女&美少女ウォッチャー・北川昌弘が送る、女性キャストから見るドラマ評――。

 この夏のドラマは、若手女優が活躍しそうな作品が異様に充実した印象です。女子メインの学園ドラマも、チアダンスを題材にした『チア☆ダン』(TBS)に、AKB48グループによる『マジすか学園』の後継ドラマ『マジムリ学園』(日テレ)も登場。

 主演女優に目をやれば、石原さとみの『高嶺の花』(日テレ)、綾瀬はるかの『義母と娘のブルース』(TBS)、波瑠の『サバイバルウエディング』(日テレ)など、期待作話題作が目白押し。

 その中でも特に注目したいのが、ここのところ最もブレイクした印象の若手女優の吉岡里帆が主演の『健康で文化的な最低限度の生活』(フジ)。そしてその吉岡に続くかと注目していた松本穂香が、オーディションで主役をゲットした『この世界の片隅に』(TBS)の2作品である。

 まず、吉岡里帆に関してのおさらい。

 連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)の後半に、あさの娘の千代と寮で同室となったメガネ女子・田村宜役で登場したのが2016年2月。続いて4月から宮藤官九郎脚本のドラマ『ゆとりですがなにか』(日テレ)で、一見、可愛くて真面目な教育実習生・佐倉悦子役で登場。ところが、松坂桃李演じる山路先生に告白したかと思ったら、実は大学生の彼氏がいて、カレが学校に怒鳴り込んできて大混乱になったり、結構、したたかなトンデモ女子だったので抜群のインパクトを残す。その年の5月には若手女優の登竜門的CM『ゼクシイ』に登場。昨年は坂元裕二脚本の『カルテット』(TBS)でライブレストランのアルバイト店員・木杉有朱役で出演。これまた、なかなかのトンデモ女子で、高額な楽器を盗もうと別荘に侵入して、2階から外に転落したときは、いくら雪が積もっていたとはいえ、こりゃ死んだと思ったものです……。

 とにかく、かわいいトンデモ女子を演じる力は抜群で、一気にブレイクした印象。ただ、その後の作品、昨年の『ごめん、愛してる』(TBS)と今年1月から放送された『きみが心に棲みついた』(TBS)では、特殊な設定とはいえ、男性に翻弄され気味のヒロインで、コチラ的には、見るのが少々辛かった印象ではありますが……。

 今回の『健康で文化的な最低限度の生活』は、恋愛ドラマではないようで、映画監督への夢を捨てて、安定を求めて公務員になった主人公が新人ケースワーカーとなり、生活保護の実態を描く作品の模様。しかも、ナチュラルな演技でいまやドラマやCMで引っ張りだこの元AKB48の川栄李奈が、同僚のケイスワーカー役で共演というのも重要ポイント。現代の問題点に迫るお仕事ドラマとして期待できそうです。

 たまに主人公の成長ぶりをわかりやすく描くために、最初、主人公のハードルを無理にダメなやつ風に下げるような作品があるのですが、それだけは避けて欲しい。主人公はあくまでも魅力的じゃないと感情移入できないものだから。

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