【岸博幸×じぶん銀行社長・臼井朋貴】特別対談。資産運用や老後2千万円問題を金融のプロが語る。

編集部
【岸博幸×じぶん銀行社長・臼井朋貴】特別対談。資産運用や老後2千万円問題を金融のプロが語る。の画像2

──じぶん銀行も「FinTech」分野に注目し、様々なお取り組みをされていますよね。そういったお取り組みの背景にある、じぶん銀行の企業理念について教えていただけますでしょうか。

 臼井元々じぶん銀行は、「手のひらにある銀行」をコンセプトとして「自分の為だけの銀行」という想いで ネーミングをされたと聞いています。先ほどキャッシュレスの話も出ましたが、KDDI4月から始めた「au PAY」というキャッシュレスサービスは、今はもう400万人以上のお客様にご利用頂いています。また、約 2,000万人にお使い頂いている「au WALLET」も「au PAY」をお使い頂くことが可能です。そういう意味では、キャッシュレスは当たり前だと。
 我々は支店を持っておらず、その代わりがATMなので、お金を入れて出すだけみたいなことにとなると、良い言い方をすれば「お客様に金融体験をして頂けない」、悪い言い方をすると「それだけではあまり儲からない」というのがあります。今言われている投資だとか、本当の意味でお客様に金融を楽しんで頂くことができないだろうなというのがあって、その辺りはすごく意識はしています。
 また、 AIの話で言うと、じぶん銀行では誰でも分かるような顔の絵を用いて、AIが予測した為替相場変動の結果を一覧表示する「AI外貨予測」というサポートツールを提供しています。予測はあくまで予測なのですが、 大体70%ぐらいの的中率になっています。“絶対”ではないのですが、これを参考にしていただくことによって、より金融というものが近づいてくるんじゃないかと、そんな風に考えています。

──なかなか初心者には難解な印象のある「外貨・FX」ですが、AIがサポートしてくれるとなると、心強いですね。

 岸ですよね。じぶん銀行って僕の中では、ここ数年で出てきたイメージがあったのですが、10年やってるん ですよね。じぶん銀行は、結果的に10年前から「FinTech」を始めていた企業だと改めて思ったんです。
  大体皆さん銀行の口座は自分の銀行の口座があって、それ以外にSuica等のキャッシュレスをやって、もし金融投資している人がいたら銀行とは別にネット証券等の口座を持ちますよね。結果的に意外と「Fintech~」と言いながら、 金融の銀行とかキャッシュレスの日々使うものとか金融投資とか、口座が全部バラバラだったんですよ。これって意外と面倒臭いんですよね。だからそう考えると、じぶん銀行って銀行の中で預金もできるし、キャッシュレスの支払いや投資、外貨の関係もできると。これは『金融のワンストップ化』と言うのですが、日本で規制が厳しい中で色々な会社がなかなかできていなかったことを実は10年前から地道に始めていた、そういう意味で、僕は「FinTech」の先駆けと言ってもおかしくないと思います。
 そこが今度「AI」も活用し始めて、「FinTech」の最前線ですよね。日本は残念ながら他の先進国と比べて金融投資をしている人の割合が非常に低いです。これは経済と金融が難しく感じてしまうことからハードルが高く、投資を躊躇してしまう人が多いのが理由なのですが、その中で「AI」というのはそういうハードルが高いものをだいぶ下げてくれる要素が大きいです。じぶん銀行は、今後の動向で外貨予測のように「AI」を使いだしたっていうのは素晴らしいことだと思います。
 この前も「老後2000万円問題」もあったと思いますが、はっきり言えば政府がこんな今み たいないい加減な経済政策やってたら、今の若い世代が将来受け取れる年金とか水準が低下せざるを得ませんから、そう考えると若い世代は早いうちから資産運用とか自分の身は自分で守ることをやっていか なければならない。その観点から「AI」はそういう投資の面でも、高いハードルを下げてくれるっていう効果は大きいので、非常に良いのではないかなと思いますよね。

──国内インターネット銀行として初めて、経済指標の提供を始められたと伺いましたが、どのようなも のなのでしょうか?

 臼井ロンドンの会社のIHSマークイットが提供する「PMI」という指標があります。これはGDP等の先行指標で、投資家や企業での運用の担当をされている方にはすごく馴染みのある指標なんです。
 非常に分かりやすくて各国毎に出しているのですが、単純に言うと50%超えているかいないかで、この先景気が良くなっていく等を読み取ることができます。なかなか個人には馴染みがない。プロ向けに近いような指標であることは否めないのですが、それを各国毎に出している日本版の「PMI」ライセンスを今回私共と契約させて頂き、「日本PMI」を「じぶん銀行日本PMI(英文名称:Jibun Bank Japan PMI)」という形で7月から提供させていただいています。
 これを出しているだけだと見る方はあまり変わらないので、まだできていないのですが、これをより一般のユーザー・金融リテラシーが高くない方にも肌で感じてもらえるようなそういう取り組みをやれればいいなと思っています。いわゆる「貯蓄から投資」の壁を超えやすくなるのではないかと我々は感じているところですね。

【岸博幸×じぶん銀行社長・臼井朋貴】特別対談。資産運用や老後2千万円問題を金融のプロが語る。のページです。エンタMEGAは、エンタメカルチャーの最新ニュースをいち早くお届けします。芸能ニュースの真相に迫るならエンタMEGAへ!