沙耶の唄
『沙耶の唄』は、今や人気シナリオライターとなったニトロプラスの虚淵玄代表作だ。今作の総プレイ時間は約6時間。比較的長いニトロプラス作品の中では内容と共に異彩を放っている。
『沙耶の唄』は泣きゲーの要素を持っているものの、カニバリズムを扱っているためにプレイヤーを選ぶゲームでもある。主人公の世界は常に内臓だらけなので、グロイものが苦手な人には手を出しづらいかもしれない。しかし、そこは虚淵玄だ。グロイという意味では人によって鬱ゲーとなるかもしれないが、根底は純愛の物語であり、クトゥルフ神話や手塚治虫の『火の鳥』をオマージュしたようなシーンも散りばめらた、非常に重厚なシナリオとなっている。
この作品は2003年に発売されたものの、いまでもかなりの人気作だ。『魔法少女まどか☆マギカ』がヒットした際に、『沙耶の唄』が再評価されて注目が集まり、新作ゲーム1本分程度の売りあげたほどである。
『魔法少女まどか☆マギカ』や『仮面ライダー鎧武』などでしか虚淵玄を知らないという人がいたら、ぜひ『沙耶の唄』をプレイしてみてほしい。虚淵玄作品が持つダークさを知ることができる。