テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載3】「たかがロケ弁、されどロケ弁」 楽屋のロケ弁当は意外に大事!

編集部
 アタシは一瞬何のことだが分からず、脳内がフリーズ状態に…。

「いや、弁当のさぁ~、肉が固いんだよ」。

 〇〇先生の発する言葉は、何だかとてもさみしそうにあたしの耳に響く。

「今日は朝から取材が続いて、食事する時間がなかったんだよ。だから、ここに来てじっくり弁当を味わおうと思ったら、いつもと違うし、肉も固い。それで、ちょっと調子が狂ちゃったんだよね…」

 ロケ弁は収録後に余ることが多い。
 それは、時間がなくて食べることができなかったスタッフのぶんであり、また出演者が急に連れてくるスタッフのぶんも考慮して、あらかじめ多めに発注しておくこともあるから。
 余った弁当を会社に持ち帰れば他の番組スタッフの胃袋に収まるし、申し訳なさそうな顔で「家族が喜ぶんでいいですか?」と、2つ3つ持ち帰る売り出し中の芸人さんやアイドルなんかもいたりするわ。

 ロケ弁に対する想いは、人によって違う。
 ただ、その人の胃袋を快適に満たすことは、その人を幸せにすることでもあり、それが回りまわって番組作りにも影響するのかもしれない。
 ちょっと極端だけど、それがアタシの肌感だわ。

 抗議とも、文句とも言えない心情をあたしに吐露した〇〇先生は、マネージャーさんによると、その日の固い肉の弁当を平らげてくれたらしい。
 その一件以来、華やかな芸能界にあって、地味な存在に見えていた“ロケ弁”に対する、アタシの考え方は変わった。

「たかがロケ弁、されどロケ弁」なのである。

          本日の日直:アシスタント・プロデューサー(業界歴12年)

・「チーム・スパイス」とは… メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタント・プロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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