テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載1】業界最下層は今や昔! 意外と儲かるADの実情とは?

編集部
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 午前3時、六本木の某所。 気が付けば、オフィスにはオレしかいない…。

 かつて、テレビ制作会社といえばオフィスのあちこちで“死体”の如くAD(=アシスタント・ディレクター)が寝転がっている姿を拝むことができた。
 オレも、20代の頃は、その死体当然の“抜け殻”だったことが何度もある。
 徹夜の連続で、家に帰れないのは当たり前。そのことに何の疑問も持たず、番組づくりに没頭していた。
 振り返れば、テレビ業界の“良き時代”だったのかもしれない。

 その昔、テレビは“娯楽の王様”であり、また影響力も強く、番組を制作する側も誇りを持っていた。
 だからこそ、自分の遊ぶ時間や寝る間がなくても頑張ってこられたのである。
 しかし現在、テレビ業界は人気がない。スマートフォンの普及で、世はすっかり動画時代に変わってしまった。
 しかも、制作サイドも視聴者からのクレームを恐れて、過激なことを自重する傾向にあり、どのテレビ局の番組も似たような内容、
 同じタレントばかりを起用するという、まさに“幕の内弁当”状態になってしまっている。
 
 これは、自己弁護になってしまい大変心苦しいのだが、例え個性あふれる“ワニの唐揚げ弁当”を企画したり、作ったとしても、結局、“幕の内”風に直されてしまうのだ。
 当たり障りのない、誰もが満足する弁当(=番組)づくり。 それがテレビ界の現状なのである。

 刺激が少なきゃ、当然若者たちには ソッポを向かれる。
 世間を見渡せば、もっと楽に稼げて、もっと注目されて、もっと自尊心を満たすような職業なんていくらでもあり、テレビ業界を目指す若者は以前に比べるとだいぶ減っている。 最近は起業する者も多い。
 自分で好き勝手にコンテンツを作って、動画サイトにアップすることだって可能な時代だ。運良く人気者になれれば、趣味を通り越して大金だって稼げてしまう。
 将来“Youtuber”になりたいと言う子供も増えているという。
 だから、現在テレビ業界には若い人材が流れて来ない。
 コンテンツとしても、商売としてもぶっちゃけた話、魅力がないのだ。

 そうした中、AD不足という“深刻な問題”が起きている。
 制作現場では、どこもかしこも、顔を合わせれば「誰か良いADいない?」が、挨拶代わりになっている状況だ。
 テレビ業界は、ネットに広告費まで奪われ、予算が縮小傾向にある。だから、若者を一から育てる余裕もない。
 現場では、すぐに使える優秀なAD、即戦力が求められている。
 何もできない素人はいらない。 そうなると、ある程度の仕事ができるADは重宝される。取り合いだ。
 辞められては困るので、周りも自然と対応が優しくなる。

 最近では、中国人をはじめ外国人スタッフも多く、その傾向はさらに加速しているのが実情である。

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