ウィリアム・ジェームズ
画像は「Big Think」より
米国で初めて心理学を講じたことでも知られる哲学者ウィリアム・ジェームズは、『宗教経験の諸相』や『純粋経験の哲学』などの著作で人間の意識経験を心理的・哲学的に探究した哲学者として知られる。
またジェームズは、幻覚作用のあるドラッグに初めて言及した西洋の哲学者でもある。著書『宗教的経験の諸相』において、意識状態の変成を経験するための実験の一環として“笑気ガス”と言われることもある亜酸化窒素、幻覚作用のあるメスカリンを多量に含むペヨーテ、鎮静剤の抱水クロラール、酩酊作用のある亜硝酸エステルを使用している。
この経験からジェームズは生涯にわたって神秘主義への関心を強めていく。ジェームズは、意識をワープさせることで変成意識として得られる宗教的経験をよりよく掴むことができると考えていたようだ。興味深いことに、ドイツの哲学者ヴィルヘルム・ヘーゲルの著作は、ハイになっている時にしか理解できなかったと語っている。