テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載11】あれってアドリブ!? バラエティ番組におけるタレントの発言はどこまでが台本通りなのか?

編集部
  共演する他の芸人たちがどう回答するか思案する中、さっさと自分の楽屋へと引き上げるA。 
  そんなAの態度にやや気分を害したのか、作家のOさんは「アイツ大丈夫なのか?」と不満を口にした。

   Oさんだって、この道25年の大ベテラン作家で数々の人気バラエティ番組を手掛けてきている。   笑いに対するこだわりは人一倍強く、芸人の手抜きをことのほか嫌っているのだ。
  だから、Aのあっさりとした態度に、物足りなさを感じたのだろう。

  その番組の収録は順調に進み、大喜利のコーナーが始まった。
  ほぼ、台本通りの回答が続く中、Aがボケ回答を発表すると、スタジオは笑いに包まれた。
 
  それを見たOさんは冒頭の言葉を口にし、うれしそうな表情をしている。
  Aの回答が、Oさんが書いた台本以上のデキだったからだ。

  収録後Oさんは、「次回は、アイツが思い付かないような回答を考えて、リベンジするから。見ていろよ!」と言い残し、スタジオを後にした。
  テレビ番組をより面白くするのは、こうした“出方”と“裏方”の攻防にあるのだ。

    本日の日直:現役放送作家(業界歴13年)

・「チーム・スパイス」とは… メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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