【連載83】問題を起こしたスタッフが転職して出世!　責任を逃れてステップアップしたテレビマンの転身事情

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  当然ながら、トラブルの発端であるKに責任を負う必要があるのだが、自分は間違っていないと主張し、それからわずか半年も経たないうちに退社してしまったのである。

  責任逃れという非難の声もあったが、どこに行ってしまったのか心配している仲間もいる中、先輩放送作家のOさんが某テレビ局でKの姿を見たという。
  そして局の関係者から事情を聞くと、なんとKはその局に転職していたという事実が発覚した。

  冒頭のOさんのセリフは、まさにKの世渡りの上手さを指してのことだ。

   制作会社からテレビ局への転職は決して珍しいわけでなく、業界には何人かそういう人間もいる。
  また、その逆のパターンだってある。

  そして、局に所属するということは、今まで局に使われていた側が、今度は制作会社を使う側に回ることを意味する。

  かつて所属していた会社と番組制作をするようなことがあった場合、お互いにどんな気持ちで仕事をするのか。

  Oさんは、うれしそうな顔をして、さらなるトラブルになることをさも望んでいるかのように嬉々としてしゃべり続けている。

  そんなOさんの妄想を聞きながら、改めて世間の狭さと素早い変わり身の重要性を感じた。

             本日の日直：現役放送作家(業界歴14年)

・「チーム・スパイス」とは…メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。