テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載79】海外ロケで芸能人がハメを外すのは当たり前だった! 夜の繁華街のガイド役に変身するテレビマンたち

編集部
  とはいえ、M氏は自称・バブルの申し子。
  かつては飛行機に搭乗した際、必ずCAの前の席を確保し、目的地到着まで何とか口説こうとしていたほどの女好きである。
  そんな“ギルガメッシュ”ならぬエネルギッシュな御仁が、現在離婚してフリーの身とくれば、まだまだヤンチャ盛りなのである。

  ある時、取材で某繁華街に行ったときのこと。
   何故か取材先が時間を勘違いしていたため、2時間ほど時間が空いてしまったという。

  普通なら同行しているスタッフと、喫茶店でバカ話をするか、一攫千金を狙ってパチンコに興じるかということになるのだが、何せ場所がいけなかった。
  取材先一帯は、風俗地帯として有名な繁華街だったのだ。

  その日、行動をともにしていたADのHによると、M氏は携帯電話を片手に何やら真剣に調べもモノをしていたらしい。
  そして10分後、突然に「おい行くぞ!」と言われ、しぶしぶ付いていくと、そこは紛れもない風俗店。
  待ち合わせの時点で、繁華街を隅から隅までキョロキョロと、M氏は眺めていたというから何となく予想はしていたというが、まさか仕事の合間に本当に行くとは思わなかったと、後にHは半ばあきれながら語った。

  恥ずかしさもあってHは先輩の誘いを断ったのだが、「金はオレが出してやるから、ほら行くぞ!」と言って、ひとり颯爽と入店していったという。
  結局、Hは外でM氏を待っていたらしい。

  後日、M氏に事の顛末を問い詰めるとあっさりと認めて、「でも金は出してやるって言ってんのに、なんでHは来なかったんだろう? 昔は先輩に誘われるとホイホイみんな付いて来たもんだけどな」と寂しそうに一言発し、続いて冒頭のような発言となったのである。

  倫理的な部分はさて置き、M氏のような豪快な男が仕事をやりにくいと感じてしまうところが、今のテレビ業界の実情を表しているようにも感じる。
  帰り際、「先輩、誘ってくれれば、オレは付いていきますよ」と慰めておいた。

     本日の日直:現役放送作家(業界歴14年)

・「チーム・スパイス」とは…メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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