佐藤健主演、シリーズ完結作にして始まりの物語『るろうに剣心 最終章 The Beginning』いよいよ公開!

長野辰次
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(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 NHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010)の“人斬り以蔵”役で注目を集めた佐藤健にとって、主演映画『るろうに剣心』(2012)は大ブレイクを果たした代表作となっている。また、香港映画界のスター俳優ドニー・イェンの片腕を務める谷垣健治氏をアクション監督に起用したことで、『るろうに剣心』は国産アクション映画のレベルを大幅に更新することにも成功した。

 佐藤健にとっても、日本のエンタメ界にとってもメモリアルな1作となった『るろうに剣心』のシリーズ第1作の制作から約10年。4月に公開がスタートした『るろうに剣心 最終章 The Final』に続く、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の劇場公開が6月4日(金)より始まる。

 コロナ禍ながら興収31億円を超えるヒット作となっている『最終章 The Final』は、かつて“人斬り抜刀斎”と恐れられた緋村剣心(佐藤健)と、剣心への復讐に燃える雪代縁(新田真剣佑)との激突を描いたアクション大作。剣心になり切るためのハードなトレーニングを続けてきた佐藤健と、稀代のアクション俳優・千葉真一を父親に持つ新田真剣佑の身体能力の高さとの真っ向勝負が見せ場となっていた。

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(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 人気シリーズのクライマックスを飾るのにふさわしいアクションシーンを売りにした『最終章 The Final』とは一転して、シリーズ最終作『最終章 The Beginning』は静謐さを感じさせる美しいラブストーリーとなっている。相手役を務めるのは、今年1月公開された『花束みたいな恋をした』がロングランヒットとなった有村架純。幕末を舞台に、剣心の頬にある十字傷はどのようにして刻まれたのかという謎が解き明かされていく。

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(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 時は元治元年(1864年)。幕末の動乱の中、飛天御剣流の使い手である剣心(佐藤健)は、長州藩士・高杉晋作(安藤政信)率いる奇兵隊に参加し、自分の剣を新しい時代のために役立てようと考えていた。剣心の腕前を見込み、長州藩・改革派のリーダー・桂小五郎(高橋一生)は剣心を反対派を封じるための暗殺者として引き立てる。

 若き日の剣心は、革命実現のためなら流血を厭わない冷血なテロリストだった。京都見廻組の清里明良(窪田正孝)らを次々と粛清していく。剣心が京都で血の雨を降らせる中、ひとりの女性と出逢う。江戸から来たらしい、ひとり者の女・雪代巴(有村架純)だった。人斬りの現場を巴に見られてしまうが、職務に忠実な剣心もさすがに尊王攘夷に無関係な女性には刀を向けることができない。気を失った巴を宿に連れ帰って介抱するうちに、いつの間にか巴は宿に居ついてしまう。宿の仕事に加えて、剣心の世話も焼く巴だった。

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(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 誰にも心を開くことのなかった剣心だったが、巴には気を許し、眠りに就くようになっていく。新撰組がその名を轟かせた「池田屋事件」以降は、周囲の目を欺くために2人は夫婦を装って京都郊外の一軒家で一緒に暮らすことに。孤独なテロリストと身寄りのない女とが何気ない日常生活を重ね、離れがたい関係になっていく。『龍馬伝』、そして「るろうに剣心」シリーズを手がけてきた大友啓史監督は、その様子をしっとりと繊細に描く。

 このまま、ずっと幸せな日々が続けばいいのに……。日常生活が美しければ美しいほど、その後には残酷な運命が待っている。それが映画のセオリーだ。命じられた任務とはいえ、人斬りとして幾つもの命を奪ってきた剣心は、ひとつの命の重さ、命のひとつひとつがかけがえのないものであることを骨の髄まで思い知ることになる。新撰組の沖田総司(村上虹郎)や「結界の森」に潜む隠密衆の首領・辰巳(北村一輝)との対決シーンも用意されているが、やはり剣心の心の奥底にまで残る深い傷を巴が刻みつけるシーンのインパクトが強烈だ。本気で惚れた相手が心に残した爪痕は、生涯をかけても忘れることができない。

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(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 和月伸宏氏の原作コミックでは「人誅編」(=『最終章 The Final』)の回想シーンに当たる「追憶編」を、一本の映画に仕立てた『最終章 The Beginning』。時間系列上ではエピソード0に当たる本作を観ることで、実写版「るろうに剣心」シリーズは大きな円として完結することになる。緊急事態宣言のために上映スクリーンが大幅に制限され、『最終章 The Final』をまだ観れずにいる人も少なくないはず。先に『最終章 The Beginning』を観てから『最終章 The Final』を楽しむこともできるし、すでに『最終章 The Final』を観ている人は『最終章 The Beginning』を観ることで、欠けていたパズルのピースを埋めていくような感覚を味わえるに違いない。

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(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 佐藤健は約10年にわたって、剣心役と向き合って来た。他にも多くの作品に挑戦することで俳優として成長を遂げ、不殺の誓いを立てる剣心の複雑な過去を演じることができたと言えるだろう。哀しくも、美しく完結した実写版「るろうに剣心」シリーズだが、原作ファンの中には「北海道編は?」と思う人もいるかもしれない。2017年から18年ぶりに連載がスタートしたコミック版『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』の続編「北海道編」が映画化されるかどうかは現時点では分からないが、佐藤健とシリーズ第2作『るろうに剣心 京都大火編』(2014)から宗次郎役で出演している神木隆之介は共に所属事務所から独立し、この春から新設された同じ事務所で新しいスタートを切っている。現実の世界とコミックの内容とがリンクするようなニュースだが、新天地を目指す佐藤健の今後が楽しみだ。
(文=長野辰次)

<ライタープロフィール>
フリーランスライター。映画や映像作品を中心に取材&執筆し、雑誌「キネマ旬報」「映画秘宝」などに寄稿している。主な著書に『パンドラ映画館』『バックステージヒーローズ』など。

<作品データ>
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』
原作/和月伸宏 監督・脚本/大友啓史 主題歌/ONE OK ROCK
出演/佐藤健、有村架純、高橋一生、村上虹郎、安藤政信、北村一輝、江口洋介
配給/ワーナー・ブラザース映画 6月4日(金)より全国ロードショー
※『るろうに剣心 最終章 The Final』も劇場公開中
https://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin2020/

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