アニメ『鬼滅の刃』遊郭編「フジテレビで放送内定」報道にファン複雑…「横取り感」「改変への危惧」で拒否反応あらわ

斉木順

 劇場版が国内外で大ヒットしているアニメ『鬼滅の刃』のテレビシリーズ第二弾『遊郭編』が、今年10月からフジテレビ系列で放送されることが内定したと報じられた。待望の新シリーズにファンが歓喜する一方、放映権がフジの手に渡ったことに「横取りっぽい」「ファンが望まない改変をしそう」などと不安の声も集まっている。

 昨年10月から公開されている映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』はロングランを記録し、今月17日に発表された累計興行収入は399.7億円を突破(興行通信社調べ)。ファンの「煉獄さんを400億の男に」との思いもあり、大台の興収400億円突破は秒読み段階となっている。また、同作は4月下旬にアメリカでも公開され、現地で異例の興行収入1位を獲得した。

 そんな世界的ドル箱コンテンツとなった『鬼滅の刃』だが、人気の火付け役となったのは2019年4月から9月にかけて放送されたテレビアニメシリーズ。TOKYO MXなどの独立系テレビ局で放送され、そのクオリティの高さをアニメファンが絶賛。Amazon Prime Videoなどの動画サービスでの配信もファン層拡大を後押しし、大ブームに至ったという経緯がある。

 ところが、ブームになってからはフジテレビが介入。昨年10月に土曜プレミアム枠でテレビシリーズのダイジェスト版となる『兄妹の絆』と『那田蜘蛛山編』を放送し、関東ローカルの深夜枠では「全集中!アニメ『鬼滅の刃』一挙放送」と題してシリーズが一挙放映された。

 さらに、今月18日付の「週刊女性PRIME」(主婦と生活社)が『アニメ「鬼滅の刃」放映権をフジテレビがゲット!第2期は10月スタート内定へ」と報道。新シリーズ『遊郭編』は「2021年TVアニメ化決定」とだけ発表されていたが、今回はキー局のフジに放映権を移すことになるという。

 ファンにとって待望の新シリーズの詳細が伝わってきたのは喜ぶべきことだが、その一方で不安や憤りの声も。ネット上では「あとから横取りした感がある」「夕方枠とかに持ってきてコンプラ的に原作改変されそう」「フジでやったらアマプラとかで見られなくなる?」「どう考えてもMXの方が安心感あった」「声優にアイドルとか芸人を使いそう」などと、複雑な声が多数寄せられている。

 フジテレビといえば、もともとは『鬼滅の刃』が連載されていた「週刊少年ジャンプ」(集英社)と深い関係にあった。『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』など、ジャンプ作品のアニメ化といえばフジテレビというイメージが強かった。

 しかし、近年はジャンプ作品の勢いが以前よりも低下したことでフジテレビでのアニメ化が減少。ヒット作があっても他局でアニメ化されることが多くなり、その例に漏れずに『鬼滅の刃』も他局での放送となっていた。

 そんな経緯もあって、ブームになってから新シリーズの放映権を獲得……となると、どうしても「横取り感」や「手のひら返し感」が漂ってしまう。また、2017年にフジ系列でディズニー映画『アナと雪の女王』が放送された際に非難ごうごうとなった“エンディング改変事件”のイメージもあり、同局に拒否反応を示すアニメファンが少なくないようだ。

 ただ、同じようにTOKYO MXなどでのアニメ放送で人気に火がついた『進撃の巨人』がNHKに放送の場を移したこともあり、今回の放映権の移動に理解を示す声もある。「TOKYO MXが見られない地方民にとってはありがたい」との意見もあるようだ。

 いずれにしても、新シリーズが放送されれば人気が再加速するのは間違いなく、再び『鬼滅』ブームが巻き起こることになりそうだ。
(文=斉木順)

<ライタープロフィール>
雑誌や書籍、ネットメディアで芸能記事を執筆中。アイドルから俳優、歌手、大御所まで幅広くカバーする柔軟さと情報網が強み。

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