衝撃的な展開が長瀬智也の“芸能界引退説”と重なり涙を誘う? 『俺の家の話』最終話への声

佐久間泰造

 TOKIO・長瀬智也が主演を務める連続ドラマ『俺の家の話』(TBS系)の最終話が3月26日に放送され、平均視聴率は10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。初回以来となる2ケタ台を獲得し、有終の美を飾った。

 家族に内緒で覆面プロレスラー・スーパー世阿弥マシンとして活動しつつ、能楽の人間国宝である父・観山寿三郎(西田敏行)の介護と『観山流宗家』の跡取り修行に奮闘する主人公・寿一(長瀬)の姿を描いた同ドラマ。

 前回、2021年の年末に寿一がプロレスの引退試合を迎えたところで終了となったが、この試合中に受けた攻撃で寿一は亡くなり、翌年1月に公演された『新春能楽界』では腹違いの弟・寿限無(桐谷健太)が代役を務めることに。愛児の死を知った母親の悲嘆を描く演目『隅田川』を演じることになったが、寿三郎だけは寿一の死を認識できず、“寿一の幻”を見て会話をしていたのだ。

 しかし『隅田川』の芝居が進むうちに、寿三郎は徐々に寿一の死を認識し始め、そこへ現れた寿一の幻に対して、これまで言えなかった感謝の気持ちを涙ながらに吐露。寿一は幼少期から寿三郎に褒められたことが一度もなく、それが不満で17歳のときに家出し、介護をするようになってからも度々、そのことをコンプレックスに抱く描写があったため、このシーンは視聴者を安堵させつつ涙を誘うことになった。

 また長瀬は3月をもってTOKIOから脱退およびジャニーズ事務所を退所したが、ネット上では以前から“引退説”が囁かれていただけに、寿一が先に死んでしまうという衝撃的な展開に対し、ファンからは「長瀬くんの演技がもう見られなくなるっていう暗喩?」「最後のお別れみたいで切なくなる」と、悲しみの声も相次いだ。

 世間では『人間国宝』と崇められる一方、女癖がかなり悪く決して良き父親ではない寿三郎役を西田が圧倒的な表現力で演じたが、それに真っ向から対立したり寄り添ったりと、長瀬は大先輩に引けを取らない存在感を示していた。

 さらに今作は、2000年にヒットした連続ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(同)以降、数々の作品でタッグを組んできた宮藤官九郎が脚本を務め、同ドラマのオマージュ的な演出が随所に盛り込まれていたが、ファンが当時を振り返り、“俳優・長瀬”の成長を改めて認識するキッカケになったかもしれない。

 そんな長瀬は今年で43歳。役者としてさらなるステップアップも期待できそうだが、退所後の具体的な活動プランはまだ明らかにしていない。ジャニーズ事務所は、長瀬の退所後について「他事務所に属することなく、裏方としてゼロから新しい仕事の形を作り上げていくことになりました」」などと発表しているが……。

 いつか宮藤作品で再び主演を務め、今作のような“笑いあり涙あり”の感動ストーリーを視聴者に送り届けてほしいところだ。
(文=佐久間泰造)

 

<プロフィール>

高校卒業後、劇作家を目指し上京。舞台、映画、ドラマのレビューを中心にエンタメ系ライターとして活動中。メタボがちょっぴり気になる30代独身男。

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