堀北真希、桐谷美玲ら発掘の女性社長にセクハラ疑惑報道… 事務所側は「極めて不当」と反論で全面対決の様相

斉木順

 女優の桐谷美玲や黒木メイサらが所属する芸能事務所「スウィートパワー」の岡田直弓社長が、自社の未成年女優Aに「ダブルベッド強要」などのハラスメント行為をしていたと発売中の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。衝撃の記事内容に対し、事務所側は問題行為を否定したうえで「極めて不当」として猛反論。セクシャリティ問題などもはらんだ今回の騒動は、両者の全面対決の様相を呈している。

 文春の記事によると、女優Aは中学生のころに岡田社長に素質を見出されて芸能界入り。親元を離れて岡田社長の豪邸に同居しながら活動していたが、岡田社長からダブルベッドで一緒に寝ることを強いられ、手をつながれたり「キスしたい」と言われたりするなどのセクハラ行為を受けていたという。そうした行為による心労が原因なのか、女優Aは先月4日に過呼吸で倒れたとされている。

 岡田社長は別の事務所で働いていたマネジャー時代に女優の瀬戸朝香を発掘したことで知られ、1996年にスウィートパワーを設立。女優の素質を見抜く眼力とスカウト力に定評があり、少数精鋭ながら堀北真希さん(2017年に引退)や黒木らを発掘したことで大躍進した。現在は男性部門が存在するが、かつては所属タレント全員が女性で従業員も大半が女性だったことから「女版ジャニーズ」とも呼ばれていた。

 もし所属タレントに対するハラスメント行為があったとすれば業界が大揺れになるほどの衝撃だが、報道を受けて同事務所は公式ホームページに「本件記事の内容は、事実に反する内容が多く含まれていることに加え、岡田を犯罪者であるかのように評するものであり、極めて不当なものです」「岡田は当該女優に対してセクシャルハラスメントを行った事実はございません」とする反論文を掲載した。

 ハラスメント行為を否定した一方で「距離の取り方において不快な思いをさせていたということであれば、その点は誠に申し訳なく、率直に反省しなければならないと考えております」とも記されており、距離感を間違えた可能性については認めている。

 さらに、同事務所は「事実と異なる記述が多数含まれている本件記事は、一方で、岡田の私生活に関する事柄や性的志向・ジェンダーに関する事項など、公開を欲しない内容が興味本位に記述されており、これらは明らかに岡田の人権やプライバシーを侵害するものです」と指摘。「岡田の人格に対する誤った印象を植え付けようとする本件記事に対し、法的措置を含めた対応を検討してまいります」と結んでいる。

 今回の記事がもし事実であれば、力関係に乗じた悪質なハラスメント行為と断じられても仕方ないだろう。だが、もし事務所側の主張が正しければ、女優Aはもちろん、桐谷ら同社の売れっ子女優たちのイメージにも深刻な影響が及ぶ可能性がある。そして反論文にもあるように、個人の性的志向・ジェンダーに関する情報を興味本位で勝手に公表してしまう「アウティング問題」という要素もはらんでいる。

 また、2019年に同事務所は「マネジャーの大量辞職」を報じられており、今回の記事で記者に直撃された岡田社長は「自分に恨みを持っている元社員のリーク」説に触れている。そうした複雑な事情も絡んでいる可能性があるだけに、簡単に白黒つけることはできなさそうな気配。文春側の“追撃記事”はあるのかといった部分も含め、今後も注目を集めそうだ。
(文=斉木順)

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