長瀬智也の役作り&“40代の悲哀”演技に称賛もギャグが邪魔? 『俺の家の話』第1話への声

佐久間泰造

 TOKIOの長瀬智也が主演を務める連続ドラマ『俺の家の話』の第1話が1月22日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。初回2ケタの好発進となった。

 観山寿一(長瀬)は能楽の人間国宝である父・観山寿三郎から手ほどきを受け、“神童”と呼ばれて将来を嘱望されるも、芸事において一切褒めてくれない寿三郎に嫌気がさして17歳で家出。

 プロレスラーとして生きる道を選ぶのだが、左膝に大怪我を追って以降は妻に愛想を尽かされて離婚し、息子・秀生(羽村仁成)の養育費を支払うために無理にリングに上がり続けてと、42歳にして身も心もボロボロ状態だ。

 そんな折、寿三郎の危篤を聞きつけて25年ぶりに弟の踊介(永山絢斗)、妹の長田舞(江口のりこ)と再会。“長男らしさ”を示すため『観山流宗家』の跡取りとなることを誓うのだが、寿三郎が意識を取り戻し、介護ヘルパーの志田さくら(戸田恵梨香)に全資産を譲ることを前提に婚約するという思いがけぬ展開になってしまう。

 しかし、“跡取り宣言”したことで後に引けなくなり、おまけに下半身麻痺となった寿三郎の介護をすることになる……というのが今回の大まかな展開だった。

 そんな異色の経歴をもつ寿一を演じるため、見違えるように変わった長瀬の体型や、幼い頃に愛情表現をしてくれなかった寿三郎への憎しみを表現する演技に対し、「役づくりに真摯に向き合っていることが一目でわかる」「落ちぶれたレスラーそのもの」などと、絶賛する声が相次いでいる。

 また、今回は寿三郎が認知症のために『要介護1(日常生活において部分的な介護が必要。最も重度な状態は要介護5)』であることや、ひとり息子の秀生に学習障害と多動症の兆候があると診断され、寿一がショックを受ける場面もあった。

 これについては、自身の家族だけでなく親の介護問題も降りかかり、板挟み状態になる“40代の悲哀”をリアルに演じているため、「泣けてくる」「他人事とは思えない」などと同情の声も集まっている。

 ただ、その長瀬と数々のヒットドラマでタッグを組んできた宮藤官九郎が脚本を担当しているが、随所に盛り込まれた“クドカン節”ともいえるギャグがときに「邪魔」との意見も。25年ぶりに再会し、その間に父親の介護を放ったらかしにしてきた寿一に対し、舞が最初こそ恨みつらみを言うものの、すぐに漫才のノリでツッコむ姿には違和感を覚える視聴者も少なくなかったようだ。

 さらに、今回の終盤にはさくらが保険金目当ての“後妻業の女”疑惑が浮上するなど、第一話からすでにカオス状態。これを宮藤がこの先、どうまとめていくのか気になるところであり、次回からの展開が楽しみである。

(文=佐久間泰造)

 

<プロフィール>

高校卒業後、劇作家を目指し上京。舞台、映画、ドラマのレビューを中心にエンタメ系ライターとして活動中。メタボがちょっぴり気になる30代独身男。

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