女優・武井咲の約3年ぶりの復帰作となった主演スペシャルドラマ『黒革の手帖~拐帯行~』(テレビ朝日系)が7日に放送され、平均世帯視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で二桁をマークした。ネット上では、SNSなどで武井への絶賛コメントが殺到するなど数字以上の大好評となっており、特に女性層からの支持の高さが目立っている。
同ドラマは、松本清張の名作サスペンスを原作にしたドラマシリーズの続編。2017年夏クールに放送された連続ドラマ版に続き、武井が元銀行員でメガバンクから横領した大金と借名口座のリストが記された“黒革の手帖”を使って銀座のクラブのママとして成り上がっていく“希代の悪女”こと原口元子を演じた。
今回は、3年前に横領と恐喝の容疑で逮捕されて実刑判決を受けた元子が刑期を終え、金沢でIT長者・神代(渡部篤郎)が経営する高級クラブのホステスとして働き、その美貌を武器にママの座へとのし上がっていくという展開だった。
劇中、武井が豪華な着物をまとって登場する場面が多々あったが、これにネット上では「めっちゃ綺麗」「ホステスの時のドレスもいいけど着物姿が最高に似合う」「まだ20代なのに貫禄あってカッコイイ」などと称賛コメントが続出。原口元子役は事務所の先輩だった米倉涼子(現在は独立)の当たり役だったこともあって、以前は比較する声が多かったが、今回は米倉版に勝るとも劣らない大好評ぶりだ。
さらに、今回は女性視聴者の反応の変化が顕著だった。以前は所属事務所のオスカープロモーションが猛烈にプッシュしていたこともあって「ゴリ押し女優」などと揶揄された時期があり、どちらかというと女性層から嫌われている傾向があった。
しかし、今回は女性層からも「着物姿にみとれちゃう」「美しさと可愛さと兼ね備えていて羨ましい!」「これぞ本物の美人って感じ」「子育てをしっかりやって、女優さんとして復帰しても素晴らしくてすごい!」などと大絶賛状態になっている。
武井は2017年9月にEXILEのTAKAHIROと結婚し、翌年3月に第一子となる女の子を出産。以降は「ハズキルーペ」などのCMに出演することはあったが、育児を優先して女優業は休業状態になっていた。結婚・出産・育児の経験を経て大人の女性に成長したことが凛とした貫禄につながり、今回の復帰作にも好影響を及ぼしたのかもしれない。
いずれにしても、女優にとって女性支持の高さは非常に大きな財産となる。まだまだ育児が大変でフル回転というわけにはいかないだろうが、大女優へと成長する可能性すら見えてきた武井の存在は、人気タレントの退社が相次いで大揺れになったオスカープロモーションの復活の起爆剤になりそうだ。
(文=斉木順)
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