昨年大ブレイクした9人組ガールズグループ「NiziU」の人気に疑問符がつく事態が起きている。それも彼女たちの独壇場だったはずのYouTubeが原因になっているという。
昨年末、NiziUをはじめとした人気アーティストが多数出演したNHK『紅白歌合戦』。午後9時からの第2部の平均世帯視聴率が40.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、2年ぶりに40%超えを果たすなど予想以上の高視聴率となった。
第2部のトップバッターを務めたNiziUが大きな原動力になったともいわれていたが、放送後にNHKの公式YouTubeチャンネルに掲載された30秒程度のハイライト動画の「再生回数」によって“本当の貢献者”が明らかになったと話題になっている。
再生回数約376万回(1月4日時点、以下同)でダントツとなっているのが、大ヒットしたデビュー曲『夜に駆ける』を披露した男女ユニット・YOASOBI。次いで、4人組男性ボーカルグループ・GReeeeNの約213万回、アニメ『鬼滅の刃』の主題歌メドレーで視聴者を沸かせたLiSAの約146万回と続いている。
NiziUは約88万回で、トップ3からかなり離れた4位となっている。もちろん、約88万回でも十分に高い数字であり、星野源や乃木坂46、Official髭男dismなどの名だたるアーティストに再生回数で勝っているだけでも立派なものだ。
しかし、放送当日にNiziUのプレデビュー曲『Make you happy』のYouTube動画が公開から半年で「再生回数『2億回』突破」と大々的に報じられていたため、ハイライト動画の再生回数に物足りなさを感じてしまう人が多かったようである。
ネット上では「本当の人気が暴かれてしまったのでは?」「正式デビュー後は失速してる印象」「正直、デビューするまでが一番盛り上がった」といった厳しい声が飛び交い、一部では「再生回数2億回ってのも怪しくなってくる」「2億回も何かウラがあるのでは」などとあらぬ疑念を抱く人まで出現している模様だ。
その一方で「YOASOBIは激レア、GReeeeNはアバターCGでブースト状態になったから仕方ない」「実質的には『鬼滅』の次だからよくやってる方」と擁護の声も。YOASOBIは今回の『紅白』がテレビ初パフォーマンス、GReeeeNは素顔非公開の本人たちに似せたともいわれる3DCGで登場したことが大きな話題になったため、どちらも「一度見てみたい」という人がこぞってハイライト動画を視聴しているとみられている。
NiziUの場合はプロモーションビデオなどがYouTubeでフル公開されているため、わざわざ30秒程度のハイライト動画を見る必要はない……と考えるファンが多かった可能性もある。
本当に人気に陰りが出てきてしまったのか、さまざまな条件が重なっての“たまたま”なのか。その答えは、2021年の彼女たちの活躍ぶりが示してくれることになりそうだ。
(文=斉木順)
<ライタープロフィール>
雑誌や書籍、ネットメディアで芸能記事を執筆中。アイドルから俳優、歌手、大御所まで幅広くカバーする柔軟さと情報網が強み。