『紅白』演出の迷走が加速!? 石川さゆり「鬼滅の刃コラボ」に「絡めなくていい」「世界観が違う」と批判も

宇原翼

 ベテラン歌手の石川さゆりが、大みそかの『第71回NHK紅白歌合戦』で人気マンガ・アニメ『鬼滅の刃』とコラボレーションすることが分かり、この演出に対する疑問の声が上がっている。

 今年で43回目の『紅白』出場となる石川は「天城越え」を歌う予定だが、29日付の「スポニチアネックス」で『鬼滅の刃』とのコラボ演出が用意されていることを明かした。石川は、同作に登場する「呼吸」と呼ばれる流派にちなんで「歌はその時代の呼吸をしなくてはいけない」とコメント。2020年らしいものにするために、「たくさんの人たちの心に染みた『鬼滅の刃』とコラボしたいと思いました」と話している。

 具体的には、テレビアニメ版『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)や世紀の大ヒットとなっている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の音楽に関わり、人気の高い挿入歌「竈門炭治郎のうた」の作編曲家でもある椎名豪とのコラボとなるとのこと。新たなアレンジの「天城越え」を披露するものと見られる。

 しかし、当日はLiSAが「アニメ『鬼滅の刃』紅白SPメドレー」をスペシャル映像と共に披露することが決まっている。そのため、ネット上には「主題歌を歌う人が出るんだから、その他の人は鬼滅絡めなくていい」「鬼滅はLiSAだけでいい」と否定的な意見もあるようだ。

 さらに、不倫を歌う「天城越え」の世界観と『鬼滅の刃』がまったく異なることや、石川が『鬼滅の刃』ファンであるイメージもないことから、「世界観がまったく違う」「便乗と思われても仕方ない」「若者に観てもらおうとNHKが迷走してる」など、批判する声も少なくない。

 石川は、2012年には『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)で知られるマンガ家・荒木飛呂彦が背景映像のイラストを担当したり、18年にもギタリストの布袋寅泰と共演するなど、これまで『紅白』でさまざまな異色コラボを経験している。その背景には、07年から「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を交互に歌う形で連続出場している事情があるだろう。「天城越え」を『紅白』で歌うのはこれで12回目となるだけに、NHK側は趣向を凝らす必要があると考えているのだろうが、多くの人は「余計な演出」と感じているようだ。

 石川自身、『紅白』での扱われ方に実は不満を抱いていると「週刊新潮」(新潮社)が16年に報じていたが……今年も“全集中”の歌唱で見せ場を作ることができるだろうか。

(文=宇原翼)

<ライタープロフィール>
雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。ジャニーズやLDHを中心に、音楽・ドラマ・アニメ・バラエティ番組などを日々チェックしている。紅白出場の某歌手とはマイミクだったことも。

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