伊藤沙莉、コンプレックスだった「声」がブレイクの決定打! CM人気爆発で女優業でも躍進

斉木順

 現在26歳にしてキャリア17年の“ベテラン”でありながら今年急激にブレイクした女優の伊藤沙莉(いとう・さいり)に注目が集まっている。毎日のように大量の出演CMが流れ、女優や声優としての出演作も多数公開されるなど、2020年を象徴する女性タレントのひとりとして大活躍を続けている。

 伊藤は子役として9歳でデビューし、2005年のドラマ『女王の教室』(日本テレビ系)で志田未来が演じる女子生徒をいじめる役を好演するなどしていたものの、注目を集めるようになったのはここ数年のことだ。

 長らく脇役のイメージが強かった伊藤だが、2016年に親友・松岡茉優(まつおか・まゆ)と共に本人役で主演した『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』(テレビ東京系)が大きな転換点に。フェイクドキュメンタリードラマという風変わりな作風に見事に対応し、懐の深さと演技力の高さを見せつけたことで評価が急変した。

 2017年に出演したNHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』で知名度が飛躍的に高まり、Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』などの話題作でも存在感を発揮。今年は、NHKドラマ『いいね!光源氏くん』のヒロイン役で女性層の支持を集め、主演映画『タイトル、拒絶』や波瑠主演の映画『ホテルローヤル』などにも出演する八面六臂の活躍となった。

 また、特徴的なハスキーボイスを武器に声優としても活動しており、今年放送された人気コミック原作のNHKアニメ『映像研には手を出すな!』では主人公の浅草みどりを熱演。アニメファンは俳優・女優の声優進出を嫌がる傾向があるが、そんな彼らがこぞって大絶賛するハマリ役として高く評価された。

 さらに、それ以上の大活躍となっているのがCM。「タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター調べ)によると、2019年はCM起用が2社だったが、2020年は6社に大躍進。それも契約スポンサーはサントリーや日本マクドナルド、東京ガスなどの大手ばかりで出稿量が多く、女優としてよりも「CMで存在を認識した」という人も少なくないほどだ。

 特に、毎日のように目にする「メルカリ」のCMの放映量は別格となっているが、共演者のタモリや高橋メアリージュン&高橋ユウ姉妹らと比べても「伊藤沙莉のインパクトはダントツ」と評する業界人が多い。CMにおいても、短い時間で強烈な印象を残す伊藤の「ハスキーボイス」が重宝され、実際に視聴者の記憶にも残りやすいようだ。

 かつては「可愛いセリフが似合わない」「声のせいでいじめっこ役ばかりだった」と本人がコンプレックスに感じていたというハスキーボイスだが、それが現在は最大の武器になったといえそうである。

 先日オリコンが発表した「2020年ブレイク女優ランキング」でも、今田美桜や小芝風花、奈緒らよりも上位となる5位にランクインした伊藤。この勢いはしばらく衰える気配がなく、圧倒的なCM需要の高さを背景に女優としても大躍進が期待できそうだ。
(文=斉木順)

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 雑誌や書籍、ネットメディアで芸能記事を執筆中。アイドルから俳優、歌手、大御所まで幅広くカバーする柔軟さと情報網が強み。

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