第75回毎日映画コンクールのノミネーションが発表され、俳優・東出昌大が男優助演賞部門の候補となり、注目が集まっている。
黒沢清が監督を務めた『スパイの妻』はテレビドラマとして今年6月にNHK BS8Kで放送され、その後、スクリーンサイズなどを一新して劇場版として10月に公開された。この『スパイの妻(劇場版)』は第77回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝くなど評価は高く、毎日映画コンクールでも最多10部門ノミネートとなっている。
同作は、日本映画大賞・日本映画優秀賞を始め、監督賞(黒沢清)、男優主演賞(高橋一生)、女優主演賞(蒼井優)などの候補に選ばれた。憲兵役として存在感のある演技を披露した東出も、男優助演賞でノミネートされている。
東出は今年1月、映画『寝ても覚めても』で共演した女優・唐田えりかとの不倫が発覚し、好感度が暴落。唐田と共に猛バッシングを受け、一時は俳優引退も噂された。しかし、8月1日に当時の妻・杏との離婚を正式に発表して騒動にひと区切りを付け、メインキャストのひとりとして出演した映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』も大ヒット。映画のプロモーションのため、バラエティや情報番組に出演するといった“テレビ復帰”も果たしている。
もっとも、不倫騒動の影響は大きく、表舞台に立つたびに批判の声が上がっているほか、出演CM4本が打ち切られ、多額の違約金を背負ったとも言われている。19日付の「スポニチアネックス」によれば、来年2本の映画の公開が控えているものの、いずれも騒動前に撮影済だったもので、ドラマや映画の新たなオファーは来ていないようだ。
10月5日付の「NEWSポストセブン」(小学館)では、来年1月期のTBS系ドラマ『俺の家の話』に出演が決まっていたものの、唐田にとって事務所の先輩にあたる女優・戸田恵梨香から“共演NG”を食らって降板したと報じられた。同作にヒロイン役で出演する戸田が、唐田がいまだ復帰できていないのに対し、東出が順調に活動を再開させていることに納得できなかったためだという。
しかし、「スポニチ」によると人気シリーズの新作『コンフィデンスマンJP 英雄編』の撮影が4月から始まるとのことで、“開店休業”状態とはならないようだ。また、離婚後に出演した舞台では吹っ切れた様子を見せていたという。
これで東出が男優助演賞を受賞すれば、俳優としての本格復活に向けて大きく前進となるだろうが、はたして……。
<ライタープロフィール>
ドラマ・映画好きの男性ライター。Netflix配信の海外ドラマなどの取材経験もあり。とある現場で間近で見た山Pの美しさが忘れられない。