のんのハイトーンボイス&弾き語りが心地よい! 6年ぶりの実写映画『星屑の町』がDVDリリース

長野辰次
のんのハイトーンボイス&弾き語りが心地よい! 6年ぶりの実写映画『星屑の町』がDVDリリースの画像1(C) 2020「星屑の町」フィルムパートナーズ

 連休中は、見逃していた映画を自宅でゆっくりと観たい。そんな人におススメなのが、9月9日にDVDがリリースされた映画『星屑の町』。のんがヒロイン役を演じた話題作として今年3月に劇場公開されたものの、新型コロナウイルスの影響で都内での舞台挨拶などのPRイベントは見送られてしまった。作品の面白さが広まる前に上映が終了してしまった、非常にもったいない劇場公開だった。

 

 のんが実写映画に出演したのは、『ホットロード』『海月姫』が公開された2014年以来となる6年ぶり。のんは本作で歌手になることに憧れる田舎町の女の子を演じており、ステージシーンでは独特なハイトーンボイスを披露している。

 中でも見どころ、聴きどころとなるのは、ギターの弾き語りで藤圭子のデビュー曲「新宿の女」を熱唱するシーン。長年溜め込んできたエネルギーを、藤圭子の歌に込めて爆発させている。劇場アニメ『この世界の片隅に』(2016年)では声優としても非凡な才能を発揮していたが、やはり生身での表現に不思議な魅力を感じさせる女優だ。

のんのハイトーンボイス&弾き語りが心地よい! 6年ぶりの実写映画『星屑の町』がDVDリリースの画像2(C) 2020「星屑の町」フィルムパートナーズ

 のん演じる東北なまりの強い女の子・愛は、売れない男性コーラスグループ「ハローナイツ」の新ボーカルとして、昭和歌謡曲の名曲の数々に挑戦する。ピンキーとキラーズの大ヒット曲「恋の季節」、島倉千代子の「ほんきかしら」。映画オリジナル曲となる「シャボン玉」では、『ローマの休日』(1953年)のオードリー・ヘプバーンを思わせる清楚なドレスを着こなしている。

 1994年に初演された舞台版『星屑の町』から、大平サブローが歌い続けている劇中歌「MISS YOU」を、のんとデュエットするシーンも耳に残る。平成生まれののんと時代遅れな昭和歌謡曲というミスマッチ感が面白い。NHK朝ドラ『あまちゃん』で大ブレイクしたのんにとっては、第二の故郷ともいえる岩手県久慈市でロケが行なわれており、もうひとつの『あまちゃん』としても楽しめる。

 ラサール石井、小宮孝泰、大平サブロー、渡辺哲、でんでん、有薗芳記が小劇場での上演を20年以上にわたって繰り返してきた舞台「星屑の町」シリーズは、2016年に完結編を上演。以前から映画化の企画が検討されていたが、ヒロイン役にのんを迎えることで、念願がかなった企画だった。シリーズ7作に及んだ舞台版の作・演出を手掛けた水谷龍二は、人気脚本家・三谷幸喜の師匠筋にあたる大ベテラン。森田芳光監督作品で助監督を長年務めた杉山泰一監督が、ペーソスあふれる音楽ドラマに仕上げている。

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