映画「古都」主演の松雪泰子、「役を通して京都に生きました」
編集部
原作では描かれなかった、大人になった主人公たちの物語として映像化し、京都伝統の呉服屋で生きる姉と北山杉の里で働く双子の妹を主演の松雪泰子が一人二役で演じ、それぞれの娘役の橋本愛と成海璃子のほか、伊原剛志、奥田瑛二らが出演している。 主演の松雪は、「京都に暮らしているわけではないですが、千重子と苗子という役を通して、京都に生きました。お茶や、所作、着付けなどのお稽古ごとを学び、料理はお店に伺って教わったり、この肉体を通して体現したい、表現したいと臨みました。京都で発表できることをうれしく思います」とあいさつ。 本作が商業長編デビュー作となるYuki Saito監督は、「京都にある伝統文化、美しさを映画にできたら…とずっと思っていました。川端康成財団の理事を務める川端香男里さんからは『古都を自由に映像化していい。ただし川端康成の『美の精神』だけは、今の京都をしっかり描いて、受け継ぐように』といわれたので、作品に宿る魂みたいなものを描くために、すべてほんまもんにこだわりました」と語った。 これに対して松雪は、「読み返しページをめくると絵画のように広がっていく川端作品の文化の奥深さは、母である立場で若い世代にどう伝えていくか、まだ社会にでてない未知の世界をどう継承していくかと非常に難しいのですが、葛藤しながらよりよいセッションをしながら作品を高められたと思います」と自信をのぞかせた。 イベントには、同映画のエンディング曲で中島みゆきの名曲の『糸』を歌う新山も出席。 新山は、「学生の時からふと耳にする、名曲『糸』は年代問わず響く曲だと思います。京都の美しい景色に優しく寄り添えるように歌わせて頂きました」と明かし、同曲を生演奏した。