(c)ロングキャニオン2020
だが、めぐの隠されたパワーを狙う「ウルトラタイガー星人」が牙を剥き、襲撃のチャンスを狙っていた。めぐは戦闘モードの「メグ・ライオン」に変身し、激しいバトルを繰り広げることになる。
長谷さん自身の実人生をベースに、河崎監督がギャグあり、アクションありの52分間の夢のあるストーリーにまとめ上げた。長谷さんの推しメンバーこそいないが、長谷さんが応援していたアイドルグループ「バクステ外神田一丁目」のメンバーと、人気急上昇中のアイドルグループ「マジカル・パンチライン」の浅野杏奈がコラボしたステージシーンが、本作に華やかさを与えている。
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そして何よりも、多くの女性が心の中に抱いている「シンデレラ願望」を叶えてくれることが本作の最大の魅力だ。主演した長谷さんだけでなく、この映画を観た人は少なからず心を動かされるのではないだろうか。「メグ・ライオン」のパワーの源は、女性たちが持っている「シンデレラ願望」であり、女性は誰しもが比類なきポテンシャルを秘めていることを本作は気づかせてくれる。
映画初出演にして初主演となった長谷さんだが、意外なほどに落ち着いた演技を披露し、スクリーンの中に違和感なく溶け込んでみせた。これには河崎監督も驚き、今年6月に劇場公開された『三大怪獣グルメ』の冒頭に登場する主婦役に、長谷さんを起用している。「これからも機会があれば、僕の作品に出演してほしい」と河崎監督は、長谷さんにエールを贈っている。
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映画がクランクアップしても、夢はまだ終わらなかった。本来は一度試写会を開いて、あとはDVDを発売して終わるはずだったこの福袋企画だが、河崎監督と長年タッグを組んできた叶井俊太郎プロデューサーが本作を気に入って、劇場をブッキング。全国ロードショーされる運びとなった。フランス映画『アメリ』(2001年)を大ヒットさせた実績を持つ叶井プロデューサーは、コロナ禍で沈みがちな社会を、明るく笑い飛ばせる映画だと判断したようだ。
女性ならではの「シンデレラ願望」を叶えてくれる『メグ・ライオン』。福袋らしい、夢がいっぱい詰まったコメディ快作だ。「夢は見るものではなく、叶えるもの」。この映画を観終わった後、そんな言葉がきっと思い浮かぶに違いない。
(文=長野辰次)
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『メグ・ライオン』
監督/河崎実 製作・主演/長谷摩美
出演/浅野杏奈(マジカル・パンチライン)、ジョナサン・シガー、渡辺裕太、岩井志麻子、真夏竜、田中美和子、桜りん、shiffon、ネリ、桃山美緒、一宮すばる、小林さとし、日出郎
配給/TOCANA 9月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー
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