草なぎ剛のトランスジェンダー役を「女装オネエ」と報道し批判殺到 「映画の趣旨まったく理解してない」

編集部

 元SMAPの草なぎ剛が主演を務める映画『ミッドナイトスワン』が9月25日に公開されるが、これについての一部報道のあり方に批判の声が上がっている。

 この映画は、草なぎがトランスジェンダー役に挑戦する作品。草なぎ演じる凪沙(なぎさ)は、新宿の「ニューハーフショークラブ」のステージに立つダンサーで、育児放棄にあった少女との出会いから、女性として生きている凪沙が母性に目覚めていく……という物語。Netflixドラマ『全裸監督』も手がけた内田英治が監督を務めることでも注目されている。

 8月26日、「東スポWeb」(東京スポーツ新聞社)がこの映画で見せた草なぎの演技力を評する記事を公開。しかし、この記事におけるトランスジェンダーについての表現が批判されている。

 記事のタイトルは「強烈!草なぎ剛が“女装オネエ”に 主演映画で見せた進化と『母の顔』」というもので、最初はトランスジェンダー役と説明されているものの、途中から「オネエ役」と表現。「女装姿はインパクト十分」とも書かれている。また、草なぎのセリフ回しを「オネエ言葉を連発」と形容しており、「草なぎさんの女装姿に思わず噴き出しそうになる。いわゆる世間一般で言う“オネエ”」という“試写会を見た関係者”からのコメントも紹介されている。

 この報道に、同性愛者であることを公にしているライターの松岡宗嗣氏はTwitterで、「トランスジェンダーとは、とかは1ミリも理解してないんだろうな。じゃないとこんなタイトルや記事は書けない。稀に見るひどさ」と批判。随所に偏見がにじみ出ていると断じている。

 松岡氏によるツイートは、2時間ほどでリツイート数は700を超え、いいね数も1700を超えるなどの反響を呼んでおり、「まずオネエとトランスジェンダーは違うし」「女装、って…本人の性自認は女、なのよね」といった指摘や、「こんな表現がまた差別や偏見を助長する」「映画の趣旨まったく理解してない見出し」「日本特有のオネエという呼称に起因する地獄が、全て詰まっている」と怒りの声が上がっている。

 また、「せっかくの力作映画。しかも繊細な役柄なのに」と、こうした報じられ方を残念がる声もある。「東スポWeb」記事は草なぎが見事に演じきったと褒めており、『ミッドナイトスワン』で演技力の幅が広がったと結んでいるが、こんな“女装オネエ扱い”では草なぎの熱演も台無しだろう。

 草なぎは24日、映画の宣伝のためにSNSで公開した動画の中で、トランスジェンダー役について「難しい役だった」と振り返っていた。彼の努力が報われるよう、トランスジェンダーについて正しい理解が得られてほしいものだ。

草なぎ剛のトランスジェンダー役を「女装オネエ」と報道し批判殺到 「映画の趣旨まったく理解してない」のページです。エンタMEGAは、エンタメの最新ニュースをいち早くお届けします。芸能ニュースの真相に迫るならエンタMEGAへ!