打ち切り『フリースタイルダンジョン』の後番組、芸人投入のバラエティ化に不満の声

編集部

 即興ラップ「フリースタイル」に着目し、ラップバトルのブームを巻き起こした『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)が6月をもって終了。7月から『フリースタイルティーチャー』としてリニューアルされた。

 2015年から始まった『フリースタイルダンジョン』は、チャレンジャーが「モンスター」と呼ばれる強豪ラッパーたちと「フリースタイル」で勝負し、勝ち抜いて賞金獲得を目指すという趣旨のラップバトル番組。即興ということもあり、ラッパーたちの実力や個性が素人からも分かりやすく、従来のヒップホップファンに留まらない視聴者層を掴んだが、18年1月に進行役などで出演していたUZIが大麻取締法違反で現行犯逮捕。さらに今年5月には、モンスターや審査員を務めていた漢a.k.a.GAMIも、同様に大麻取締法違反で逮捕された。

 特に漢は、大麻にまつわる歌詞が多いラッパー。番組の立ち上げに関わり、メインMCを務めたZeebraは、自身のインターネットラジオ番組『Zeebra’s LUNCHTIME BREAKS』(WREP)の中で、「例えば漢がそういうリリック(歌詞)を歌っていて、そういうスレスレな感じっていうのもエンターテインメントだ、となっていたわけです。でもそれがこうなってしまうと、エンターテインメントではなくなってしまう」と漢の逮捕の影響が大きかったと言及。「不祥事が続くような番組は続けられないってのは、しょうがない」として打ち切りの判断を支持した。

 そして7月7日深夜から後継番組『フリースタイルティーチャー』が放送開始。「ラッパー育成ドキュメント」と銘打たれたこの新番組は、芸人をラッパーに育成するという内容で、レイザーラモンRG、ゆりやんレトリィバァ、紺野ぶるま、そしてカミナリの石田たくみと芸人4名が出演。初回放送では、“先生”となるKEN THE 390ら4人のラッパーと質問をし合い、芸人側が指導してもらいたいラッパーを「フィーリングカップル」方式で選ぶ様子などが放送された。

 「漫才よりラップ歴のほうが長い」というほどヒップホップ好きのカミナリ・石田はともかく、紺野あたりはラップに関心がありそうな様子もない。ゆりやんも、好きなラッパーを訊かれた際に「チャンス・ザ・ラッパーを聴いて育ちました」とうそぶき、ここ10年で頭角を現した新進ラッパーの名前を挙げたことにアシスタントの青山テルマからツッコミが入っていたが、マイペースにボケる芸風はここでも変わらなかった。

 『フリースタイルダンジョン』とは一転したこのバラエティ色の強さに、「これ大丈夫なのかな……ラップが好きな人が見てもつまんないんじゃないか……?」「開始5秒でキツい」「すっかり和やかな番組になってしまった」「コンプラに配慮した結果、ヒップホップの本来の旨味を全部抜いてしまってる」など、厳しい意見が飛び交っている。

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