芥川賞作家として、芸人と二足の草鞋を履いて活躍しているピース・又吉直樹。昔から読書が大好きだった彼は、これまで2000冊以上の本を読んできたという。今回は、彼が雑誌やブログ等でおすすめしていた小説 の中から、普段読書をしない人たちにもとっつきやすい3作品を紹介させていただく。

●「キッチン」吉本ばなな(福武書店)

 唯一の肉親だった祖母を亡くしたみかげは、祖母と仲が良かった青年・雄一の実家で暮らすことになる。雄一の母・えり子とともに3人で和やかな生活を送ることで、徐々にみかげの心の傷は癒えていくのだが……。世界25蚊カ国で翻訳され、読み継がれる永遠のベスト・セラー小説。

【読みどころ】
又吉が「何度も読みたくなる数少ない本の一つ」だと語る一冊。女性作家ならではの細やかな情景描写からは2人の表情が鮮明に浮かび、切なくも優しい気持ちになれる。人生のヒントになるような台詞が多く、「本当のいい思い出はいつも生きて光る。時間がたつごとに切なく息づく」という一文は、大人が過去の栄光に浸ることをも肯定してくれるように思える。

●「トロツコ」芥川龍之介(青空文庫等)

 小田原〜熱海間の鉄道沿いを舞台に、「トロッコ」に乗りたい少年の姿が描かれた、10ページ足らずの短編小説。2009年には同作をモチーフにした映画が公開された。

【読みどころ】
又吉は中学生の頃、教科書に載っていた同作を読んだことがきっかけで、読書にはまったという。芥川作家を生み出したのは芥川だったのだ。この小説の凄いところは、ただ「子供の頃の怖かった思い出」で終わるのではなく、ラスト1段落で大人になってからの心境とリンクさせているということ。漠然とした寂しさや虚しさは、成人しても結婚しても、一生感じるものなのかもしれない。

自粛生活で読書ブーム再来? 2000冊以上の読書歴を持つ又吉直樹おすすめの小説3作品のページです。エンタMEGAは、エンタメの最新ニュースをいち早くお届けします。芸能ニュースの真相に迫るならエンタMEGAへ!