「TVer」のCMを最近よく見ると思ったら… 苦況のテレビ業界の“コスト削減策”が辛すぎる

編集部

 緊急事態宣言は続々と解除されているが、各テレビ局はいまだにドラマやバラエティ番組の収録がほぼ不可能状態で、通常通り放送されているのは、ニュースや情報番組だけとなっている。当然、テレビ局の営業マンは日々苦しんでいるという。

「番組提供スポンサー(タイムCM)には、大手企業がついていることが多く、以前からの付き合いで継続してくれる場合が多いですが、主に番組と番組の間に設定されたスポット枠への出稿企業が次々と撤退して、厳しい状態となっています。埋まらない枠を民放公式テレビポータル「TVer」や民放連、ACジャパンのCMで埋めていますが、それらはカネにならないため、大幅な減収となり経営面で苦境となっているテレビ局もあります。

特に地方局の疲弊がすさまじいですね。自社制作番組で、東京や大阪を拠点にしているタレントを呼ぶときに、出演料にプラスして交通費や宿泊費がかさむので、このままコロナ騒動が収まってもリモート出演を継続しようかという話が出てきているほどです。タレントが懇意にしているタニマチを紹介してもらい、番組スポンサーになってもらいテレビ制作するといった事態も起きています」(テレビ局関係者)

 また、CM出稿が減ることで、番組制作費が削られ、大規模撮影を要する企画が通らなくなることでますます番組がつまらなくなり、テレビ離れが進みそうだという。さらに、ここ数年コンプライアンス強化など、制約が多くなっているテレビ界は大きな危機となりそうだ。

「キー局では経費節約のためリーマンショックの際もそうだったのですが、海外の大物アーティストや大物アスリートの出演機会がなくなりそうです。ゴールデン帯の人気番組を除き、海外ロケなど大規模な撮影も減るでしょう。それに加えて、どこのテレビ局もボーナスが激減しそうです。アナウンサーも含めて採用を絞っていく方向で今後若手のアナウンサーが減るため、ベテランアナウンサーの活躍の場が広がりそうですが……。テレビ業界の人材獲得・育成という意味では、大きなマイナスとなってしまいそうです」(同)

 見逃し番組配信サービスの充実等、新しいビジネスモデルを探す一方で、地方局では吸収・合併を含む再編も取りざたされているという。激動のテレビ業界は、この危機を乗り越えることができるのだろうか。
(文=高野コウヤ)

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