志村けんさん「YouTubeの原点」!? 視聴者ビデオ番組の先駆者「企画の天才」

編集部

 3月29日に70歳で亡くなった志村けんさんは、さまざまなアイデアを生み出した人物としても知られる。「最初はグー」の発案者なのはよく知られており、さらに、80年代末から90年代に“視聴者投稿ビデオ”をバラエティ番組で最初に取り上げ、一大ブームを巻き起こした人物でもある。

 視聴者投稿といえば、『さんまのからくりTV』(TBS系)、『ズームイン!! 朝!』(日本テレビ系)の「投稿ビデオ大賞」、『邦子と徹のあんたが主役』(テレビ朝日系)など多くの番組が取り上げてきた。

 志村さんがこの企画を考えたのは『8時だョ!全員集合』(TBS系)の後番組として1986年に始まった『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(同)だが、当時、家庭用ビデオカメラの普及率は低く、スタッフからは反対を受けたという。

 ただ、志村さんは「ビデオカメラが普及したらみんな結婚式とかを撮るようになる」と説得。ビデオカメラを持っていない視聴者のために、機材の貸し出しサービスも行われていたという。

 視聴者から投稿される内容は、身近な子どもやペットの動物にまつわる、ほっこりとするハプニングが多く見られた。さらに30分ほどの映像から30秒ほどの「決定的瞬間」を抜き出すといった編集も番組側で行われた。コンパクトな編集は、YouTubeをはじめとする現在のネット動画文化でも鉄則と言えるものだ。

 現在、この企画のフォーマットは世界の100カ国以上に輸出されている。それだけ視聴者の心を捉えるキャッチーな企画であったのだ。志村さんは、表舞台に立つコメディアンとして天才的であったばかりではなく、企画を立案する放送作家的なセンスも併せ持っていたのだ。(文=相川ナロウ)

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