神田伯山「物珍しさが人気の秘訣」? 100年に1人の天才講談師は毒舌系飽和状態の中で生き残れるのか

編集部

「消えゆく文化」とも言われていた日本の伝統芸能である「講談」で今注目を浴びている新進気鋭の講談師・六代目神田伯山。「100年に1人の天才講談師」と呼ばれ、テレビにも度々登場しており、今最もチケットが取りにくい芸人のひとりとして話題になっている。

 講談とは、軍記物や歴史上の有名な事件などを講談師が語る伝統芸能で、江戸時代から明治にかけて大いに栄えた。しかし昭和になり漫才などの大衆芸能が誕生、テレビの普及などにより次第に衰退していき、一時期は22人しか講談師がいなくなり、絶滅寸前とまで言われていた。

 神田は迫力ある語り口で多くの観客を魅了し人気を博すようになり、今年2月には44年間空席だった大名跡・神田伯山を襲名したことで更に脚光を浴び、多くのメディアに取り上げられている。

 彼を知って、初めて講談という世界や講談師という存在を知った人も多いに違いない。正直「100年に1人の天才講談師」と言われても、一時22人しかいなかった講談師の世界で、どれほど彼がすごいのか、いまいちピンと来ないのではないだろうか。神田の講談には初めて講談を聞く、という客も多いのだという。物珍しさも人気の後押しをしているのかもしれない。

 現在、落語家は全国で800名以上いて、入門者も増え続けており江戸時代以降最多と言われるほど。対して講談師は60名ほど。今、神田の活躍により脚光を浴び、入門者も殺到しているというが、果たしてこの先、多くの娯楽に溢れる現代で生き残ることはできるのだろうか。

 新進気鋭の天才講談師、神田。大衆から忘れられ消えようとしていた世界に風穴を開け、再び光を当てた男。時代はテレビから更にその先へと動いている。真新しさ、物珍しさからくる人気は一過性のもの、今後どのように講談界を牽引していくのか、ここからが一番の見所かもしれない。

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