記者がボーアをパワー以上に評価したのは、その“ムードメーカー”ぶりだったようだ。「チームメイトとやりたい」とキャンプにゲーム機(プレイステーション)を持ち込んだボーアだったが、スタンドだけでなく、チームメイトを沸かせたのは、午前中のキャンプ“初打席”だ。
ノッソノッソと “日本初打席”に入ったボーア。ファンもマスコミも、その肉体が誇るパワーに大きな期待が集まったが、なんと初スイングはセーフティーバント。それも巨体を揺るがせ、全力疾走で一塁を駆け抜けた。
これには周囲のチームメイトも大爆笑。スタンドからは大きな拍手があった。
「実は先日の入団会見の際に、パワーに期待していると言われ『みんなが楽しみにしているのは、足じゃなくてバッティングの方なのか?』とジョークを飛ばしていたんですよ。それで、挨拶代わりのセーフティーバントと全力疾走ですから……(笑)。陽気な性格は期待できますし、チームに溶け込むのが上手いですね」(同)
キャンプ初日から期待に違わぬパワーと、そして期待以上のユーモアを見せ、チームメイトや阪神ファンの心を鷲掴みにしたボーア。ファン待望「バース2世」になれるか。矢野監督が掲げる日本一のキーマンは、この新助っ人かもしれない。