13日、マレーシアの首都クアラルンプール近郊で、バドミントンの男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗らを乗せたワゴン車が大型トラックと衝突。ワゴン車の運転手が死亡、桃田らが負傷した。日本バドミントン協会に入った情報によると、桃田のけがの程度は「顎(がく)部裂傷、眉間部裂傷、唇裂傷、全身打撲」とされており、命に別状はないとのことであった。
事故は、マレーシアで開かれた「BWFバドミントンマレーシアマスターズ2020」において、桃田が優勝を飾った翌朝のことだった。夢にまで見た東京オリンピックの舞台を目前に大事故に巻き込まれるとは、実力だけでなく“もってない具合”も世界一なのかもしれない。
2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックでメダル獲得を期待されていた桃田は、違法カジノ店で賭博をしていたことが明らかになり、日本代表の強化指定選手から外され、オリンピックメダル獲得の夢は敗れた。その後1年1カ月の謹慎を経て復帰した桃田は、世界ランクを上げるべく自費で国際大会に出場するなどして、ひたむきに東京オリンピックの舞台を目指した。
努力を積み重ね、あと一歩のところでこの事故である。ネットでは、「おいおい大丈夫かよ。ホントついてないなあ」「前回は自業自得だったけど今回ばかりはねえ…」「またオリンピック出られなかったら気の毒すぎるな」と、桃田の“ついてなさ”に同情する声が多数あがっている。
桃田らは、日本人コーチらともに14日以降に退院し、日本に帰国するとみられる。専門家によると「東京オリンピックには出場可能」とのことだが、多少なりともパフォーマンスに影響が出ることが懸念される。
世界一の実力者でありながらも“もってない”彼は、夢の舞台でも世界一を獲得できるのだろうか。