TBSの海外過酷ロケ番組が炎上、猿岩石時代から進歩なし?

編集部

 26日放送の『ハードワーキングホリデー:ダメな若者4人をタイへ!飛行機代を稼ぐまで帰国不可』(TBS系)の内容が物議をかもし出している。

 この番組では「お金お大切を学ぶ」ために、パパ活グラドルのまどか、「ジュノンスーパーボーイ」出身俳優の市川知宏、若手タレントのエヴァンス未希、芸人の三瓶がタイへ渡り、財布とスマホを没収され帰国費用を現地で稼ぐもの。日本への片道切符は3万7820円。現地での生活費も負担しながら稼いでいくため、容易な作業ではない。現金2万円と屋台と調理器具が用意される。この内容が不法就労を助長しているのではないかと話題になっている。

 タイに限らず、外国人が現地で就労する場合には専用のビザを取得するなど政府の許可が必要になる。屋台営業を行うとなれば地域の保健所の許可などもあわせて必要になるだろう。番組では「今回はテレビ撮影のためタイ制服の特別許可のもと就労しています」とテロップで表示されているが、「特別な許可」の文字からわかる通り設定としてあり得ないものである。

 若者の貧乏旅行において海外でお金が尽きたら現地でアルバイトをして稼ぐ、といったモデルは現実的にはありえないものだ。そうしたフィクションをそのままなぞった番組作りに非難が殺到している。さらに、まろかが途中でリタイヤし、帰りの航空券代が足りないとして、現地在住の日本人のお金を借りる場面も登場するが、こちらも安易すぎる考え方であろう。これは猿岩石の時代から変わっていないと言える。

 1996年に『進め! 電波少年』(日本テレビ系)において、香港からロンドンまでヒッチハイクで移動する「ユーラシア横断ヒッチハイク」に猿岩石が挑戦した。最初に支給された現金10万円はビザ代や宿泊代などであっという間にそこを尽き、タイより西へ移動する場合は現地でアルバイトを行うほか、応援にかけつけた爆風スランプや室井滋の力を借りて稼いでいった。番組では特に断りがなかったが、彼らのマネをして無一文で海外へ旅立ってしまった若者もいたようだ。

『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)において現地の祭りをねつ造したやらせ問題の記憶も新しいだけに「海外ならバレない」的なバラエティ番組の作りはあらためるべきではないだろうか。(文=相川ナロウ)

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