北野武なら、「ピエール瀧を薬物中毒者役でキャスティング」くらいのことはやってくれそうだ。
世界的映画監督・北野武が、新作映画の制作に向けて着々と動いている。夕刊紙の「夕刊フジ」が、そう報じている。北野は2018年の独立騒動以降、映画制作の行方が注目されていた。さらに近年の北野映画の代表作といえば「アウトレイジ」シリーズ。今回の報道でもバイオレンス作品の構想もあると伝えており、それが実現すればアウトレイジに出演していたピエール瀧や新井浩文といった“お騒がせ俳優”の“復帰起用”もあるのではないだろうか。
夕刊フジは、北野が現在、新作映画の制作・公開に向けて準備を進めていることを伝えている。報道の中で本命視されている構想中の作品は時代劇モノのようだ。明智光秀や豊臣秀吉といった戦国武将を取り上げ、本能寺の変を描きたいと北野自身が周囲に漏らしているという。そして対抗馬として囁かれるのが、バイオレンス作品だ。近年もアウトレイジシリーズで好評を博したこともあり実績は十分。スポンサーも納得しやすいだろう。
北野作品といえば、バイオレンスで“アウトロー”な作品が多い。1989年に公開された監督デビュー作「その男、凶暴につき」をはじめ、1997年には「ヴェネツィア国際映画祭」金獅子賞を受賞した「HANA-BI」もバイオレンスなシーンが印象的だ。2010年から3作品が制作されたアウトレイジシリーズも、「全員悪人」のキャッチコピーが表すようにアウトロー同士の抗争のストーリーで人気となった。
そしてアウトレイジシリーズには、今年麻薬取締法違反や強制性交容疑で世間を騒がせたピエール瀧や新井浩文も出演している。彼らは現在芸能活動に復帰できていない状態だが、バイオレンス作品であればむしろ“箔がついた”と言えなくもないだろう。北野自身もピエール瀧逮捕後、逮捕をネタにイジっており、“不謹慎ネタ”は大好物。彼らの起用の可能性は低いものではないだろう。
執行猶予や公判の最中だとはいえ、世間からは“犯罪者”として扱われている人間を起用することに否定的な意見も多く出るだろう。しかし世間から反発することも北野武・“ビートたけし”のパーソナリティのひとつであることは間違いない。最新作がどんなかたちで仕上がってくるのか。今から目が離せない。