『銀河系軍団』レアル・マドリーに加入した弱冠18歳の久保建英、「すべて感覚でプレー」と豪語する天才肌・中島翔哉の名門ポルトへの完全移籍など、ここ最近ワールドワイドなニュースが当たり前になった日本サッカー界。
しかし、国内サッカーに目を向けると将来が不安になる惨状が広がっている。天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会でJ1チームが次々に敗退しているのだ。
天皇杯は国内サッカーカップ戦のひとつで、協会への第1種登録があればプロアマ問わず参加可能なトーナメントである。そのため、都道府県予選を勝ち抜いてきた大学チームや社会人チーム、JFLチーム、時には高校生がJ1チームと対戦するため、格下が勝利する『ジャイアントキリング』も見所になる。
ジャイキリは時折起こるからこそ盛り上がるのだが、今大会においては2回戦でJ1所属の4チームがアマチュアクラブに敗れる異常事態。なかでも、名古屋グランパスは鹿屋体育大学に0-3の完敗。大学生相手でのまさかの苦杯に、試合終了後にはサポーターから罵声が飛びまくる事態になった。また北海道コンサドーレ札幌は静岡県代表の社会人チーム・HondaFCに点の取り合いで圧倒された。
こうした下刻上の背景には、アマチュアの練習環境・練習内容の向上があるようだ。情報が容易に手に入る現代においては、ヨーロッパ式の最先端トレーニング方法を導入しやすく、アマチュアのレベルは飛躍的に向上。クラブ内での食事管理も徹底され、フィジカル面でもプロに近づきつつあるのだ。