■お父さんが癌に
シロさんの父親にステージ2の食道がんが発見。
不安そうなシロさんに何かしてあげたくて声をかけるも「今のことろ(頼めることとか)何もないよ」と言われてしまうパートナー・ケンジ(内野聖陽)。何もしてあげられないもどかしさが伝わってくる。
次の日も務めて明るく振る舞うしぐさが健気なのだが、余裕のないシロさんは気づいてない様子。
その日シロさんは、第1話にも登場した離婚して親権がないのに子どもに許可なく近寄り、何度も揉めてしまってる母親・今田さん(佐藤仁美)と子どもを遠くから見るために遊園地へ。
子どもを遠くから見守る依頼人・今田をさらに見守る弁護士・シロさん。
だが、今田は遠くのベンチからとはいえ、感極まって号泣してしまう。
即座に子どもにバレないように対角線に座り、「俺も食うかな!」「うまぁーい!」と不自然に声を上げるシロさん。お構いなしに大号泣する今田さんのコントラストがいい。面白いのに悲しいシーン。
■今田に救われるシロさん
遊園地の帰り際。家族すらまともに接してくれない「すごく変な」自分の話をちゃんと聞いてくれて嬉しいとシロさんに感謝する今田。
「気持ちがしんどい時って、誰か一人でも親身になって話を聞いてくれる人がいると安心するんです」と言われ、とっさにケンジの思い浮かべたシロさん。
冒頭の実家に帰った時の両親に対する愚痴も、ケンジにはしないで佳代子に話していた。
ケンジはゲイやシロさんの同居人であるという「当事者」だから話しずらいのだろうが、ケンジはずっと「話してくれないシロさん」を気にしていた。
帰宅後、弁当箱を洗いながらシロさんがケンジに言う。
「親父のことでこの先もし何かあったら話聞いてもらっていいか……? 話聞いてくれるだけでいいんだ」
死ぬほど嬉しそうなケンジの顔を見るだけで、こっちまで幸せになるエンディング。
今回もあっさり乾いた風味の原作が、しっとりしたしたテイストになっていた。どちらにも良さがあるが、ドラマではちょくちょく涙腺を刺激されてしまう。原作を読んでいる時にそんなになかったのに。
来週はシロさんの父親の病気の様子が描かれる。
奇しくも先日志賀廣太郎が体調不良でのドラマ途中の降板を発表したばかり。複雑だ。
後任には田山涼成に決定しており、いつから登場なのかそちらも気になる。お腹を空かせて見守りましょう。
(文=柿田太郎)